三谷幸喜監督、脚本の映画『記憶にございません!』(9月13日公開)のレッドカーペットイベントと、完成披露試写会の舞台挨拶が、8月19日TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、主演の中井貴一ら豪華キャストと三谷監督が登壇した。内閣総理大臣役の中井は、役柄にちなんだ所信表明演説をしようとしたが「老眼で字が小さくて読めない」と失笑したあと、きちんと映画についてアピールした。

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キャストは中井のほか、ディーン・フジオカ、石田ゆり子草刈正雄佐藤浩市斉藤由貴、木村佳乃、吉田羊も登場し、愉快なクロストークを行った。中井は本作について「まず、コメディをやらないってことが第一の条件。三谷幸喜の脚本は、役者がコメディをやらなくてもいいように、おもしろくできている」と三谷監督の脚本を称えた。

ところが三谷監督から「でも、中井さん、笑わせるようなことをしちゃいけないと言われるわりには、変顔、おもしろい顔をされますよね」とツッコミが入る。中井は「それは台本に沿った顔をしているだけです」とおちゃめに笑った。

また、佐藤は中井との1シーン1カットの長回しのシーンについて「中井さんとは同世代で、同じ時代を生きてきたなかで、芝居を一緒にできるうれしさがありました。1つ1つの台詞のキャッチボールが楽しくて」とうれしそうに話す。

三谷監督も「いいおっさんが2人でいちゃついているみたいな感じが楽しいです」とうなずく。中井が「ある意味で言えば、“おっさんずラブ”。その映画もこの中で楽しめるってところがありますかね」と言って笑いを取ると、三谷は「エロチックな感じはないですが」と慌てて補足した。

最後に中井が観客席に向かって、本作の宣伝の応援を呼びかけたあと「もし、おもしろくなかった方は、観たことも忘れてください。『記憶にございません!』と」と締めくくり、会場を沸かせた。

『記憶にございません!』はオールスターキャストによるポリティカルコメディ。演説中に石を投げられ、記憶を失った総理大臣・黒田啓介役を中井貴一が演じる。黒田の記憶喪失は極秘事項とされたなか、アメリカ大統領が来日することになり、ひと騒動が起きる。(Movie Walker・取材・文/山崎 伸子)

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