ペットを飼っている人にとって彼らは大事な家族の一員とも言える。それが幼い頃から一緒に過ごしてきたのであれば、親きょうだいと変わらないほどの存在に感じることだろう。このほどスコットランドで、愛犬が亡くなった日に大変な悲しみに襲われ、職場に休暇申請をした女性が解雇されてしまった。『Metro』『Mirror』『BBC News』などが伝えている。

スコットランドのグラスゴーに住むエマ・マクナルティさん(Emma McNulty、18)は、4歳の時からヨークシャテリアの“ミリー”と過ごしてきた。しかしそのミリーが、今月10日に亡くなってしまったのだ。

幼い頃から14年間も一緒にいたミリーはエマさんにとって、実のきょうだいと同じくらい大切な存在だったのだろう。彼女の悲しみはまるで家族の一員を亡くしたと言っても過言ではないほど大きいものであった。その日は午後3時から近所のファストフード店で仕事が入っていたが、とても出勤できる状態ではなかった。

エマさんは朝の10時頃、愛犬が亡くなった傷心ゆえその日は休ませてほしいと上司にメールで願い出た。返って来た返事は「代わりに出勤できる人を探すか、さもなくば解雇になる」というものであった。その時のことをエマさんは、このように振り返っている。

「上司に連絡した後、お悔やみの言葉の代わりに、雇用契約通りにシフトを全うし休むなら代わりの人を探すか、できなければ解雇だと言われました。結局私はその日、仕事に行けず解雇されてしまったのです。私は大事な家族を亡くした日に仕事も失ってしまいました。」

エマさんはその日、自分の代わりに出勤できる人を探すことができず、そのまま仕事を休んだことで解雇されてしまった。その後はひどく気落ちし、体調を崩してしまったという。

ペットも家族と考えるエマさんは、ペットの死別に対しても慶弔休暇が与えられないことに疑問を持ったようだ。そして彼女はオンライン署名サイト『change.org』で、企業がペットの死別に対して従業員に休暇を与える制度を取り入れてもらえるように署名を呼びかけた。

そして署名をした人の中には、エマさんの気持ちに寄り添うコメントが寄せられた。

「犬を弔う気持ちを持つ時間を得ることは許されるべきだわ。」
「私も同じ状況で、犬が亡くなったことを会社に伝えたら『たかが犬でしょ』といった反応だった。」
「昨年、私の子供(犬)達が同時期に亡くなった時に仕事を休みました。犬達は自分の子供と同じです。今でも悲しくて涙がでます。」

署名は目標25,000人に対して、6日目で既に16,000件を超えており、目標が到達した後にグラスゴーイースト選挙区選出の国会議員デイビッド・リンデン氏(David Linden)に送られる予定だ。

ちなみに日本では、2017年にユニ・チャームがペットの死別の際に1日、特別休暇を取得できる制度を設けた。また通販大手のアマゾンジャパンの採用情報ページにも“自己または家族(ペットを含む)の私傷病、看護など、その他自己または家族のために休むことをやむを得ない場合に取得できる「パーソナル休暇」(有給)などがあります”と記載されている。

画像は『Metro 2019年8月16日付「Grieving dog owner sacked for taking day off after pet died」(Picture: Metrograb)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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