あるひとつの現場に100台の固定カメラを設置して、人々の生態を観察する新感覚ドキュメンタリー「のぞき見ドキュメント 100カメ」(NHK総合)の第2弾が、8月21日(水)夜10:00-10:50に放送となる。昨年放送された第1弾も話題となった同番組の制作秘話などをチーフプロデューサーの細田美和子氏に聞いた。

【写真を見る】「ZOZO」社内を“100台のカメラ”で、のぞき見!普通はあり得ないアングルからも…!!

2018年9月に放送された第1弾では「週刊少年ジャンプ」の編集部に密着し、多忙な日々に隠された人間ドラマや編集者のちょっと笑える素顔などが放送され、大きな反響を呼んだ。

8月21日の放送では、日本最大級のファッション通販サイトを運営するZOZOのデザイン部と、10代20代に人気の動画クリエイター集団「はじめしゃちょーの畑」に密着。人気の職業の普段は見られない裏側に迫る。

100台の固定カメラを使うというこれまでになかったドキュメンタリー番組を制作するにあたり細田氏は「今まであまりドキュメンタリーを見たことがないような“ネット世代”の人に興味を持ってもらえるような番組を作りたいと考えたのが始まりです。そのためには“100台の固定カメラ”という撮り方も、作り方も新たな挑戦をすることになり、制作当初は実現可能なのかと制作スタッフと局内外各所に聞きまわりました。そのかいあって、素顔が“のぞき見”できるような番組となったと思います」と語った。

前回の週刊少年ジャンプ編集部の放送ではSNSで多くの反響があり、そのことについて細田氏は「私たちが考えていた以上に反響がきて、驚きました。特にうれしかったことは『NHKがテレビの底力を見せつけた』という言葉を頂けたことですね。あと、週刊少年ジャンプ編集部は男性ばかりの職場だったので、女性の方からはあまり反響がないのではないかと心配していたのですが、意外にも女性の方からの感想も多くいただけてうれしかったです」と笑顔を見せた。

■ 女性社員の闘いやYouTuberの裏側に密着!

他のドキュメンタリーでは撮影することができない表情を撮影できるのが「100カメ」の魅力であるという細田氏は「番組では、会社の大きな方向転換を上司が部下に言い渡すところがあるのですが、普通のドキュメンタリーであればなかなか見られない社員の皆さんのリアルな驚きの表情や、小声で社員同士が相談している風景も撮影されています」と語り、

「社員の方々が前澤友作社長のことを『どんな精神状態なんだろう?』や『常人じゃないよね』と噂している場面もあります(笑)。会社の方針に翻弄されながらもがんばる若手社員の方々の様子にも注目ですね」と見どころを語った。

さらに、今回のZOZOの密着では、男性社員ばかりの週刊少年ジャンプ編集部では見られなかった、女性のリアルな会話をのぞき見できると言い、「始めはカメラを意識されている方も多いのですが、だんだん気にならなくなるのか、いつものように上司の愚痴を言う人や先輩後輩のちょっとしたバトルなども見ることができました。女性特有の毒舌や“マウンティング”っぽいやりとりには、女性の方に『こういうのあるある!』や『こういう人いるよね!』と共感していただけると思います(笑)」と少し見るのが怖いような気もする見どころも披露した。

はじめしゃちょーの畑」では、人気YouTuberはじめしゃちょーをはじめとするメンバーらの共同生活にカメラを設置。細田氏は「『はじめしゃちょーの畑』の皆さんは、プライベートでも何でもさらけ出してくださったので、これは大丈夫かな?と心配になるようなところまで撮影することができました。『今、あいつがあそこに行ったから脅かしてやろうぜ』と男子高校生の部室や修学旅行のようなノリが面白いと思います」と語る一方で、

「YouTuberは人気の職業と言われていますが、そんな華やかな一面とは真逆の“光と影”のような場面もありました。今回、『はじめしゃちょーの畑』の新メンバーオーデションの時にカメラを設置したのですが、残念ながら落ちてしまった方とはじめしゃちょーが面談で話している姿は、普段のはじめしゃちょーのイメージからは想像もつかないシビアな言葉が出てきて…。相当な覚悟を持って、YouTuberという職業をされているのだなと感じました」とYouTuberの裏側に驚いたようだ。

■ 今回は“応援したくなる人”に注目!

前回のジャンプ編集部では、鼻歌を歌う社員やうれしいことがあった時にはグラビアを見る社員といった、数人の社員の何気ない行動に注目が集まった。

今回の放送で注目の社員や人物を聞くと、細田氏は「ZOZOでは、ある若手の社員に注目ですね。ある案件が社長に突き返されて、大急ぎで直すよう言われてふてくされた社員が、上司に声をかけられても無視をするとか、上司が席を外した途端に愚痴を言い出すとか。思わず『そうそう、こういうとき何も話したくないよね!』と若手社員を応援したくなります(笑)」と多くの視聴者の共感を得られるのではと語った。

また、「はじめしゃちょーの畑」では「動画には出ているけど、正規メンバーではないという人がいるのですが、その方が応援したくなるような魅力のある方でしたね。あとは、男子ならではのはじめしゃちょーと他のYouTuberの師弟関係にも注目です」と語った。

また、細田氏は「“100カメ”では普通の番組では主人公にはならないような、ちょっとうまくいってない人やちょっとネガティブな状況にいる人がフォーカスされることが多いです。なので、今回ZOZOでは前澤社長は一瞬しか出演されません。はじめしゃちょーは…同じ“しゃちょー”でもたくさん出演されていますが(笑)。」と笑顔を見せた。(ザテレビジョン

MCのオードリーが気になった動画から“のぞき見”