茨城県守谷市の常磐自動車道で起きた「あおり運転暴行」事件。指名手配されていた宮崎文夫容疑者(43)は、8月18日茨城県警に傷害容疑で逮捕された。

 同時に犯人隠避の疑いで逮捕された恋人の喜本奈津子容疑者(51)とは「出会い系アプリで出会い、2019年2月から交際をスタートさせた」(捜査関係者)。

 喜本容疑者が勤めていた都内の大手AV機器会社の同僚が語る。

「喜本さんは会社に10年以上在籍していますが、社内ではあまり目立たず、親しい人もいなそうでした。最近は事務の仕事をしていましたが、今年2月から体調不良を理由に出社していません」

 宮崎容疑者は喜本容疑者と出会う以前から出会い系アプリを活用してパートナーを探していたという。昨年夏に出会い系アプリで宮崎容疑者と出会ったというのが、兵庫県在住の女性A子さん(40代)だ。

アプリを閲覧していると、宮崎さんのプロフィール写真が目に留まったんです。大阪の景色を一望できるような景観のいい高級ホテルで、エルメスネクタイを何個も広げている姿でした。それに対してコメントを残したら、宮崎さんからメッセージがきました。《仕事で全国を飛び回っていますが大阪在住です。よかったらご飯行きませんか?》というような内容だったと思います。その後も熱心なアプローチが続いたので、会うことにしました」

 初めて顔を合わせたのは、大阪の繁華街にある庶民的なしゃぶしゃぶ店だった。

「第一印象はなんとなく目が怖かったのですが、語り口は優しかったです。ただ“金持ちアピール”がすごかった。仕事については父親から受け継いだマンションの経営をしている、仕事で全国を飛びまわっている、起業した友人がパートナーでお互い手伝っているなどと説明していました。仕事の話以外だと、インスタに載せているモンブランボールペンを自慢したり、好きなネクタイブランドについて語ったり。ただ、食事中も運ばれてくる食事の写真をすぐにスマホで撮るし、食べ方も汚いから『成金くさいな』とは感じました」(同前)

 その日は平日だったため終電前には解散したが、翌週週末に再び会うことになったという。

「急に《今日、よかったら映画みて、スイーツを食べませんか?》とメッセージがきたんです。暇だったので承諾すると、近くまでタクシーで迎えにきてくれました。大阪のタクシー会社でしたが、どこか遠方から来たようで、料金メーターはすでに4、5万円になっていた。『トラブルがあって事務所を追い出された』と話していて、荷台にはたくさんの荷物が積み込まれていました」

 その後2人はタクシーで神戸の三宮へ向かった。

「連れて行かれたのは高台のカフェ。そこでは『以前に京都でタクシーがらみで誤認逮捕されて大変だったんだよ』なんて話していましたよ。悪びれることはなく、自分が被害者のような話しぶりでした」(※編集部注 2018年3月、宮崎は京都市内でタクシー運転手を監禁した容疑で逮捕されている)

 2人が歓談している最中も、タクシーは待たせたままだった。カフェを出たあとは同じタクシーに乗り込み、神戸市内へと向かった。

「彼が『やっぱり映画よりも車がみたい』と言い出したので、中古車ディーラーをまわることになった。熱心に外車を眺めはじめたので手持ち無沙汰になり、タクシーの運転手さんと話をしていました。運転手さんは『もう何時間も拘束されていて、ずっと自慢話ばかり聞かされていて辛い』『本当にお金は払ってくれるのか。これ以上いらないから早く帰りたい』とボヤいていました。そのときにはすでにメーター料金は6、7万円になっていました」

 結局宮崎容疑者は中古車ディーラーが閉店間際まで居座っていたという。夜も更けてきたのでA子さんが「帰りたい」と言うと、宮崎容疑者は「送っていく」とタクシーに乗り込みA子さんの自宅へと走らせた。

「それまで楽しそうに話していたのですが、運転手さんが道を間違えるといきなり豹変して激高したんです。『オマエわざと間違えているんだろ!』『謝るだけで済まさないぞ!』と怒鳴りだしたため、運転手さんは不憫なほど慌てていました。『大阪のタクシー会社さんだし、道がわからないだけですよね。宮崎さんも怒るのをやめてください』と私も必死でとりなしたのですが彼は聞く耳を持たず、とても怖かったです。運転手さんがSOSサインを出したようで、しばらくすると複数のパトカーが駆けつけました」

 タクシーは国道沿いに停車し、宮崎は警察官に取り囲まれた。

「警察官は10人以上いたと思います。宮崎さんは今回逮捕されたときのように、警察官に囲まれても『今は彼女を送っていかないといけないから!後で行くから!』とひるむことなく言い逃れようとしていました。もちろん運転手さんに詫びることもありません。結局30分近く暴れ、警察に取り押えられました。運転手さんが『彼女は関係ないから』と庇ってくれたので、私はその場で解放されました。その後は彼が怖くて、すぐにLINEブロックし、出会い系アプリも退会しました」

 現在宮崎容疑者は取り調べに対して「相手の男性に進路を妨害された。危険な運転をしたつもりはない」と供述しているという。

(「週刊文春」編集部/週刊文春

取手署に移送される宮崎容疑者 ©文藝春秋