安月名莉子8月21日(水)にTVアニメ彼方のアストラ』のEDテーマGlow at the Velocity of Light』をリリース。作曲は欅坂46の「黒い羊」などを手がけたナスカ、作詞はTVアニメあそびあそばせ』のOPテーマスリピス」で話題のタナカ零が担当している。そんな本楽曲の制作やレコーディングについて聞いたインタビューアニメディア9月号に掲載中。「超!アニメディア」では、本誌には掲載しきれなかった部分を含めたロングインタビューを掲載。


■今だからこそできるチャレンジをしていきたい!

――TVアニメ彼方のアストラ』の原作漫画を読んで、いいなと思ったところはありますか?

 基本的にシリアスなのに、ギャグがどんどん出てくるし。でも最終的に前向きで、みんなでひとつになって頑張ろうと結束するところは、勇気をもらえるところです。それに予想外の展開が多すぎて驚きの連続です。読み始めたら止まらなくて、一気に読んでしまいました。

――団結するシーンは、胸が熱くなりますね。

 はい。自分の音楽活動でも、メジャーデビュー前までは、衣裳の準備からメイクなども自分でやっていて、お客さんにCDを売る際にも自分でブースに立って手渡ししたりしていました。今はたくさんのスタッフの方が助けてくださって、ひとりじゃできなかったこともできるようになり、助けてもらうことの大切さを感じていました。そのこととも重ね合わせながら観ています。



――もしも、このなかの誰かだったとしたら?

 私、けっこうズレた発言をすることが多いので、アリエスちゃんかなって(笑)。私も、基本みんなと仲良くなりたいと思うタイプで、天然と言われることが多くて…。映像記憶能力は持っていないですけど……。でも、私ひとりだったら絶対生きていけないです。二択に弱くて、わかれ道があったとしたら、絶対間違いを選んでしまいます(笑)。変に裏を考えてしまって、どうでもいいところまで考えて挙げ句の果てに、答えが出ないみたいな。誰かとお話をするときも、そういうことばかり考えてしまって、なかなか気持ちを伝えられないんです。

――そんな安月名さんが歌うEDテーマGlow at the Velocity of Light」は、スケールが大きく爽快なサビの楽曲。EDMだけどオーケストラの音も入っていて、あと宇宙っぽい感じもありますね。

 宇宙空間が、リズムや音になって表現された曲で、初めて聴いたときから「好きな曲だな」と思っていました。聴き込むごとにいろんな音に気づいて、どんどん好きになっていきました。MVが公開されたときも、みなさんに反応をいただいて、さらに好きになって。これからアニメが進むにつれて、私のなかにどんな新しい“好き”が生まれてくるのか楽しみです。

――今回歌うときに意識したのは?

 歌詞のところどころに、主人公のカナタたちの、セリフ調のフレーズがあって、それをちゃんと言葉として伝えられるようにと意識しました。

――作詞のタナカ零さんは、言葉が独特ですね。

 はい。絶妙に面白いなって思います(笑)。サビの「ほんとは、ほんとは」という言葉から続く「変わりたい」というフレーズは、自然と気持ちがたかぶる歌い方になりました。

――どうしてですか?

 私自身、たとえば「あなたって天然だよね」と言われると、「やばい、またKYな発言をしちゃったのかもしれない。しっかりした自分に変わりたい!」と思うし。自分でも変わりたいと思うことがたくさんあったので、自分のことと重ねることができたので、自然とより感情を込めることができました。

――「手をにぎろう」という歌詞もあって、1話の最後にみんなで手をつなぐシーンと重なりました。

 私もそのシーンは、「歌に合ってる!」と思って驚きました。諦めずに最後まで進むカナタたちの旅を、この歌でも応援できたらいいなと思います。

――次の週の放送が楽しみになる曲ですよね。

 そう捉えてもらえたらうれしいです。前向きに前向きにという。

――作曲をされているナスカさんは、欅坂46の「黒い羊」の作曲も担当されていましたね。

 はい。この曲を最初に聴いたときは、どなたが作曲されたか知らなかったのですが、疾走感があふれていて好きな曲だなと思っていました。ミーティングでいただいた資料にナスカさんの名前があり、「黒い羊」はすごく好きな曲でナスカさんのお名前は知っていたので、「本当ですか!」ってテンションが上がりました。歌うときは、最初の部分の入り方が、メロディに対して言葉が詰まっているので、ここは流れてしまわないように大切に歌わなきゃなと思いました。

――こういうテンポ感のある曲はどうですか?

 自分で作った曲はバラードが多くて、今までのシングルもミドルテンポだったので、こういう曲は自分としてはチャレンジでした。最初はこのテンポになかなかついていけなくて、悔しい思いもしました。

――でもこういう曲のほうが、ライブをやったときは盛り上がれますよね。

 はい。6月に開催した初ワンマンライブでお披露目したのですが、テンポが速くて明るい曲だから、会場が楽しい雰囲気になったことを実感しました。これからもみんなで楽しく歌えたらいいなって思います。

――MVで聴くと、アニメで聴いたのとは少し違う印象でした。

 MVではダンスもあって、自分のなかから出てくる感情的なものを表現しています。自分の感情をすべて詰め込んだ、全身を使った表現に注目していただけたらうれしいです。

――MVのダンスは、前作「Whiteout」のMVのダンスよりもレベルアップしているとか。

 振り付けの先生に、「前より難しくしてください」とお願いしました。自分でも、どんどん難しいことにチャレンジしていきたいと思っていて。今だからこそ、こういうチャレンジができると思っているので、これから先もどんどんやっていきたいです。

アニソン界の女優さんになりたいです!

――カップリング曲の「たたくおと」は、表題曲の「Glow at the Velocity of Light」を作詞した、タナカ零さんの作詞・作編曲で、とても不思議な曲ですね。

 最初に聴いたときはポカ〜ンとしてしまいました。突然サビになったりするから。でも、そのポカ〜ンの感覚が今でも忘れられないくらいインパクトがある曲です。「これ、歌えるかな?」って不安になりましたけど、歌えば歌うほどクセになっていく感覚もあって。サビで一気に広がる感じがあって、音もそこからきれいに解放されていきます。

――歌詞は、まるで小説のような感じだなと思いました。

 夢を叶えられなかった主人公が、いろいろな音をきっかけに、過去の気持ちや夢を思い出している歌詞になっています。いつも舞台のまんなかに立つ人を観て、うらやましがっていた過去があって。最終的には、自分の人生のちょっとした学校や帰り道のできごとなど、心に残っている風景がたくさんあって、それが自分の心を叩くわけです。つまり、小さい思い出の積み重ねで、自分の人生の主役になれる。どんな人生でも、自分を主役にすることができると歌っています。「中央線イエロー」とか、自分の身近に感じられる現実的な言葉が入っているのもすごく印象的で、だからこそ今を生きる自分がもがいていることとか、葛藤していることとかも含まれている気がしました。

――安月名さんは、アーティストとしてデビューして夢を叶えたわけですよね。

 曲中に「舞台の端」という言葉が出てくるのですが、音楽活動を始める前に舞台に出た経験があって、たくさんオーディションを受けても必ず主役ではない端っこの場所ばかりでした。歌詞を読んで、結局主役には一度もなれなかったことを思い出して、グサッときました。

――この曲では、レコーディングギターも弾いているとのこと。「Glow at the Velocity of Light」のMVで弾いているギターですよね。

 はい。コールクラークというオーストラリアメーカーで、オリジナルモデルを作っていただきました。自分好みの低音が、ジャキジャキ鳴るので気持ちいいです。私はライブパーカッションのようにギターを叩いたりもするのですが、ギターのなかにもマイクが仕込まれていて、弦だけじゃなくボディ全体から鳴るようになっているのでぜひライブ会場で音を体感してもらいたいです。

――縞模様にもこだわりが?

 シマリスちゃんみたいな模様です(笑)。基本のデザインは自分で選ばせてもらって、赤をベースに木目を活かしていただきました。ホールの淵は真珠貝を埋め込んでいていてオシャレなんです。細かいところまでこだわったので、ライブなどで実物を観てもらえたらうれしいです。

――うれしくて、ギターを抱いて寝ちゃったり(笑)

 そこまではしませんけど、弾いている間に寝てしまって、起きたら腕に弦の痕がついていることがよくあります(笑)。まだ作りたてほやほやなので、めちゃめちゃいい木の匂いがします!。新築のおうちみたいな自然の匂いがして、マイナスイオンが出ているんだと思います。

――そんな安月名莉子さん。今後の目標は?

 アニメごとにその世界観に寄り添って歌うことや、MVで演じながら歌うことの楽しさを改めて感じたので、アニソン界の女優さんになりたいです!

――曲ごとに違う主人公を演じるみたいな?

 はい。自分の色を付けることも大事だと思いますけど、まだ今の段階では、曲ごとに違う自分を表現して、聴いてくださる人に楽しんでいただけたらうれしいです。そういう楽しさをこれからも、全身全霊で届けられたらいいなと思います。

取材・文/榑林史章

Profile
【あづな・りこ】12月3日生まれ。ミュージカルやTV出演などを経て、大学進学と同時にシンガーソングライターとして活動を開始。『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』の挿入歌「Memories」の歌唱に抜擢され、2018年アニメやがて君になる』のOPテーマ「君にふれて」でメジャーデビューミュージシャンとしても高い歌唱能力、ギタープレイが認められオーストラリアギターブランドCole Clark Guitars」と日本人女性初のエンドース契約を果たす。

リリース情報
Glow at the Velocity of Light
8月21日
KADOKAWA
1,200円


 TVアニメ彼方のアストラ』EDテーマGlow at the Velocity of Light」は、ピアノダンスビートによるトラックに、安月名の透明感のあるピュアな歌声が融合。カップリング曲の「たたくおと」は、タナカ零が作詞・作編曲を担当。独特の節回しによるオルタナティブな曲調で、安月名の新たな魅力を引き出している。