新幹線車内Zoonar/N.Okhitin/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

幼い娘とふたりで新幹線に乗っていたところ、女児誘拐犯と間違われて通報され、5分以上も停車させてしまう……そんな嘘みたいな出来事が起こった。

当事者となったのは、作家・犬山紙子氏の夫でベーシスト・漫画家の劔樹人氏だ。

■新幹線で子供がギャン泣き

彼が20日、投稿したnoteによるとその出来事は、劔氏の実家がある長野県から東京に戻る途中で起こった。彼の実家には猫がおり、重度の猫アレルギーである犬山氏は同行できず、話し合いの末に2歳半の娘とふたりで帰るようになったという。

そのような事情があり、また、これまで仙台や新潟にふたりだけで行った経験もあったため、娘は新幹線には慣れているはずだった。

しかし、この日は珍しく長野新幹線は混雑し、高崎を過ぎる頃には満席で、デッキにも多くの人が。そうこうしているうちに眠っていた娘が起き、グズり始めてしまう。

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■父親と幼い娘ふたりはおかしい?

ちょうど何度目かのイヤイヤ期だったこともあり、劔氏はデッキに行くことに。しかし、デッキへ移動する際に抱き上げたことが原因で、娘さんは「ギャアーーー!!!!」と泣き出してしまう。

そして、視線を感じながらデッキで必死に娘さんをあやしていると、上野駅で扉が開き、警察官が数人入ってくることに。そして、「すみません、泣いてる女の子を連れているという男性はあなたですか?」「誘拐事件の可能性と通報があったので」と言ってきたという。

当然、劔氏は身分証を見せるなどしたが、警察官は「奥様はどちらですか」と質問したり、無線で「男性と女の子がひとり、母親はいません」と話すなどしていた。つまり、「父親が幼い娘とふたりきりで、新幹線に乗っているのはおかしい」と判断した誰かが、警察に通報したようなのだ。

■母親だったら通報に至ったのか

その後、5分ほど停車したのち、新幹線はやっと動き出した。だが、東京駅に着いても疑いは晴れず、最終的に妻の犬山氏に電話をかけさせられたうえ、スマホに入っている娘さんとの写真を見せることでやっと解放してもらえたという。

今回の件について、劔氏は「これが母親と子供だったら、通報まで至ったのか」と疑問を呈しつつも、「怪しからったら通報、これは正しいことだと思う」「それで救える子どもがいるなら素晴らしいことだと思う」と通報者や警察に対する不満はないと述べた。

■「世間は男親に冷たい」「酷い」

男性の育児参加に対する世間の認識があらわになったとも言えるこの出来事。ネット上ではさまざまな感想が確認できる。

「子連れの父親でこれなら、ガチの父子家庭とか相当大変だなと…」

「ワイも嫁さま休憩して貰うために一歳半から娘と子連れ狼してるが、似たようなことあったなぁ。世間はまだまだ男親に冷たいね」

「こりゃあ酷い…」

「父親が小さな子供とふたりきりで新幹線はおかしい……って思われたんだろうな。でも、公園で遊んでただけで通報されたっての前に見たばっかだしなー」

「女児誘拐する人間が新幹線使うか? ちょっと想像すればわかると思うんだが」

ネット上では「誘拐する人間が新幹線を使うワケがない」などの声も見られるものの、もし通報者が本気で心配して通報していたなら、それを否定することは正しいとは言えないだろう。

しかし、だからこそ、世間の男親に対するリアルな認識が伝わってくる……そんな出来事であった。

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(文/しらべぇ編集部・宝田洸太

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