飲食店で注文した食事がなかなか出てこないことはよくある話だ。しかしこのほどフランスで、オーダーしたサンドイッチの提供が遅いことに腹を立てた客がウエイターを銃殺するという信じがたい一報が届いた。『The Local France』『The New York Times』などが伝えている。

今月16日の午後9時15分頃、仏パリの市街地から東に15キロほど離れたノワジー=ル=グラン(Noisy-le-Grand)にあるファストフード店「Mistral」で、ウエイターの28歳男性が客に銃で撃たれて死亡した。

この店は主にピザとサンドイッチを提供している店で、銃を放った男はサンドイッチをオーダーしていた。目撃者によると、男はサンドイッチが提供されるのを数分ほど待っていたが、遅いと感じたのかウエイターに確認し、まだ準備ができていないことを知ると激怒し始めたそうだ。

怒りが収まらない男は銃を取り出してウエイターの肩のあたりに発砲し、その場から逃走した。負傷したウエイターは同僚らが呼んだ救急隊によって蘇生措置が行われたが、その場で亡くなってしまった。事件後、近隣住民のひとりは「サンドイッチのために殺されるのか?」とショックを隠し切れない様子だったという。

殺されたウエイターの同僚である29歳の女性は「非常に悲しい。店は数か月前にオープンしたばかりだけど以前は問題などなかった」と話している。しかし他の住民はこの店でのいざこざを目撃しており、周辺では麻薬やアルコール依存症者がたむろしているとのことだ。

また、事件があったノワジー=ル=グランは移民の街とも称されるセーヌ=サン=ドニ県に属する地域であり、『The New York Times』によると同県は貧困化が進んでおり社会不安によって犯罪が目立つことでも知られているそうだ。

この事件を聞いたフランス経済学者で2014年に国防省の副次官補に就任したこともあるジャンメシア氏(Jean Messiha)は、大量移民を生み出した制度と今回のような事件を結びつけるようなコメントをSNSに投稿し、議論を呼んでいる。

なおウエイターに発砲した男は、18日時点ではいまだ逃走中で逮捕には至っていないとのことだ。

画像は『The Local France 2019年8月17日付「Paris waiter shot dead because ‘too slow with sandwich’」(Photo: Paul Rysz/Flickr)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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