(Denis Torkhov/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

名古屋市図書館で極めて悪質な事件が発生。事件の詳細を探るべく、しらべぇ取材班は名古屋市の担当者、そしてこれに関わった会社を直撃した。

■「興味本位だった」

名古屋市教育委員会は20日、緑図書館の女性トイレで5月に盗撮目的のカメラが発見されたと発表した。指定管理者として図書館の運営にあたる「ヴィアックス」(本社・東京)の元社員は設置を認めており、愛知県警が現在捜査している。

市教委によると、5月3日午前11時ごろ、緑図書館2階の女性トイレのタンクの下にカメラがテープで貼り付けてあるのを女性スタッフが見つけ、警察に通報。カメラは取り外して事務室に保管していたが、警察官が到着する前に行方がわからなくなっていた。6月、同僚の男性スタッフが警察の事情聴取に「当日の朝にやった。興味本位だった」と設置とカメラを廃棄したことを認めたという。

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■是正指示を実施

名古屋市は、2017年4月から市内2つの図書館をヴィアックスに、運営・管理業務の委託を行っている。市の担当者は、しらべぇ編集部の取材に対して、

「ヴィアックスに対して、『倫理の保持』『現場の危機管理』といった内容の是正指示を行った。危機管理ができていれば、カメラがなくなってしまうようなことも起こるはずがない。緑図書館は1Fには本が並んでおり、2Fには学習室や集会室がある。1Fには防犯カメラがあったが、2Fにも新たにカメラを設置し、トイレに誰が入ったかをわかる状況にした」

と述べた。それでは、図書館を運営していた会社はこの事態をどう考えているのだろうか。

■会社として内部監査を実施する

ヴィアックスは、全国の83の図書館の運営・管理を行っているそう。取材に対して担当者は、

「このような事案が発生したことは、大変遺憾。警察の調べを任意で受けた、盗撮をした社員は、6月17日に懲戒解雇した。今後の防止策としては、緑図書館のスタッフ20名全員に危機管理の研修を行った。今後運営するすべての図書館の内部監査を定期的に実施する」

と回答した。

■盗撮の厳罰が必要

盗撮は、迷惑防止条例違反で取り締まるのではなく、盗撮罪を創設し処罰すべきでは、との意見があがっている。

「迷惑防止条例では甘すぎる」

「早急な盗撮罪の創設が必要だろう」

「証拠隠蔽で罪重くなるじゃん。そんなこともわからんのか」

名古屋市が試行的に、図書館指定管理者に任せていたところ、今回の事案が発生。市内の21館のうち、5館で実施しているが、今後に暗雲が立ち込めてきた。

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(取材・文/しらべぇ編集部・おのっち

図書館女性トイレに盗撮目的のカメラ 担当者は「事案発生は大変遺憾」