京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者について、京都府内の報道機関12社からなる在洛新聞放送編集責任者会議が20日、未公表の25人の身元を速やかに公表するよう京都府警察に申し入れた。この申し入れに対し声優の緒方恵美は、未公表であっても「辛さ、悲しさは共有できています」と異議を唱えている。


在洛新聞放送編集責任者会議に所属する時事通信社によると、申し入れ書では、発生から1カ月以上経っても発表がないことは「過去の事件に比べても極めて異例」として速やかな実名公表を要請。「事件の全体像が正確に伝わらない」との懸念や今回を先例としないよう求める内容としている。


緒方はTwitterで、この時事通信社の記事を引用。実名が報じられた犠牲者の家族について、「『発表をしない』と決められて…な方々が身元がわかっている皆さまの中にいることは周知」とした上で、身元が公表されなくても「充分、辛さ、悲しさは共有できています」とコメント。犠牲者の実名公表を求めるのならば、各社の記者自身が「すべて記名で記事を書いて下さることから、まずは始めて頂けると、と、存じますがいかがでしょうか」と投げかけた。


また、インターネットでは、京都府警に宛てた「京都アニメーション犠牲者の身元公表を求めません」との署名も開始。開始13時間で約5000人が賛同している。


犠牲者の公表について京都アニメーションは当初、当面の間は報道を控えるよう警察やマスコミ各社に要請。「ご家族・ご親族、ご遺族のご意向を最優先とさせていただきつつ、少なくともお弔いが終えられるまでの間は、弊社より公表する予定はございません」としていた。


画像は緒方恵美氏のTwitterスクリーンショット