日本でも大きな話題を集めた「バーフバリ」シリーズが大ヒットし、Netflixではその前日譚にあたる「バーフバリ: 帝国の夜明け」も制作されるなど、世界中で勢いに乗っているインドの作品たち。そんなインドの話題作が立て続けに公開となるので、ぜひ紹介していきたい。

【写真を見る】歴史的激戦からお受験事情まで、インド映画がアツい(『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』)

スパルタの戦士も真っ青!21対1万人の驚愕の激闘を知る『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』

まず紹介したいのが、1万人の兵にたった21人で立ち向かったという近代インド史、サラガリ砦での戦いを映画化した『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』(公開中)。1897年イギリス領のインド北部には、辺境部族を警戒する砦が築かれ、英国軍とシク教徒が警備に当たっていた。下士官のイシャル・シン(アクシャイ・クマール)は、英国人将校の命令を無視したため、僻地サラガリ砦の司令官を命じられるが、そこには実戦経験の乏しいシク教徒20人しかおらず、さらに1万人に及ぶ部族連合が一斉攻撃を企てており…。

1万人の兵力を21人という人数で迎え撃ったという題材のインパクトもさることながら、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)のローレンスウッドワードはじめとするトップレベルのスタッフが集結したアクションは見応え抜群。銃や刀を駆使したアクロバティックでケレン味たっぷりな映像には、興奮が止まらなくなる。

インドのお受験事情を知る『ヒンディー・ミディアム

続いて紹介したいのは、インドのお受験戦争を描いた9月6日(金)公開の『ヒンディー・ミディアム』だ。『インフェルノ』(16)など、多くのハリウッド映画にも出演するイルファーン・カーンが主演を務めるこの作品。衣料品店の経営で成功を収めているデリーの夫婦が、自身の学歴コンプレックスから娘を富裕層向けの進学校に入れようと奮闘するという物語。

父親が学位しか持っていなかったため娘の入学を拒否された、というインドで実際に起きた出来事をモデルにしており、リアルなお受験事情も描かれる本作。名門校では授業が英語で行われるという現実や、低所得者層の入学枠という制度(劇中ではそれを不正利用してまで合格を目指すのだが…)など、インドの教育事情を知ることができるのもおもしろい作品だ。

■ 恐怖のテロ事件の裏側を知る『ホテル・ムンバイ』

少し先になるが、9月27日(金)より公開の『ホテル・ムンバイ』は、実際にインドの五つ星ホテルで起きた無差別テロを題材に、閉じ込められた人質たちの脱出劇を描いた物語。『スラムドッグ$ミリオネア』(08)のデヴ・パテルが主演のほか、アーミー・ハマーなど豪華キャストが集結した作品だ。

2008年、ムンバイのタージマハル・ホテルを武装勢力が占拠し、500人以上の宿泊客と従業員が人質に取られてしまう。テロ殲滅部隊の到着まで数日かかるという状況の中、ホテルマンのアルジュンは、オベロイ料理長の指揮のもと、人質たちを救う道を選ぶことに…。

ボーダーライン』(15)の製作陣が加わった緊迫感のあるテロ描写、そして生存者へのインタビューやテロ組織の録音記録の研究など、1年以上かけて行なったという徹底的なリサーチが生む圧倒的なリアリティは、この事件の痛ましいさとその裏で行動した名もなき人々の存在を教えてくれるものとなっている。

これらの作品をぜひ劇場でチェックして、様々なインドの姿、側面に触れてみてもらいたい。(Movie Walker・文/トライワークス)

インドの様々な面が描かれた映画が続々公開!(『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』)