――安倍首相は来月中旬あたりに、政権の再構築、強化をにらみ、内閣改造と党役員人事に踏み切るとされている。前回の改造人事では「“石破嫌い”の首相が石破派(現在、衆参19人)に冷や飯を食わせた」との見方も出た。仮に、今度も冷や飯を食うようなことになると、「ポスト安倍」へ向けての石破派議員みなさんの戦闘意欲も欠けてくるかもしれない。そのあたりの心境はどうですか。

石破 冷や飯、冷遇と言われるが、私は必ずしもそうだとは思っていませんよ。派閥の規模のわりに毎回大臣を出させていただいているし、今は山下(貴司)さんが法務大臣、政務官や政調会長代理もいます。そのうえで、派閥の議員からは「ポストや金が欲しかったら、石破派なんかにはいない」という声もあるんです。わが派は、心意気で成り立っているグループでもあるということです。

――しかし、石破派19人での天下取りは、いかにも手勢が少ないとの感があります。二階派あたりは派閥増強に余念がないが、石破さんは増やすつもりはないのですか。

石破 それは、仲間が増えたらいいなとは思っていますよ。とにかく、今の自民党には、おかしいことはおかしいと、ハッキリ言える集団が必要です。何か言えば、それ冷や飯だでは、党内の民主主義は利かなくなる。これは、ものすごく恐ろしいことですね。

――私も50年以上永田町を取材してきていますが、かつてのダイナミズムの働いていた「三角大福中」の時代から比べて、今の自民党にはウイングの広さが見えません。あの頃は、党内の右と左が侃々諤々の議論をして、党としての落としどころを模索していました。要するに、言いたいことが言えた自民党だった。ところが今は、言いたいことを失言と暴言が“代替”している感じがします。

石破 党内でも議論はちゃんとあるんですよ。でも、それがあまり報道されることはない。そうした中で異を唱えると、すぐポストや選挙に影響が出るのだと、党内の多くが思っています。それが、全体として萎縮した空気を醸し出している。物言えば唇寒し、損をするといった雰囲気になっている。もっと開かれた政党にならないとね。

――それなら、石破さんはなおさら「ポスト安倍」で勝ち上がらねばなりませんね。そこで、戦略としての派閥の合従連衡についてうかがいたい。石破さんは旧田中派を源流に、竹下派、橋本派、小渕派に所属、石破派となって、今の竹下亘氏が会長の竹下派(平成研究会)とは友好関係にあるようですが、ズバリ、うかがいます。ごく近い将来、今の竹下派との合流ということは、視野にありますか。

石破 会長の竹下亘さんが病気療養中です。今、私が言及していいことではありませんね。もとより平成研に在籍していた私が、竹下派に親近感があるのは当然ですが…。
(明日に続く)