マンチェスター・UとTwitter社が、フランス代表MFポール・ポグバへの人種差別的投稿について話し合いを行うことがわかった。イギリスメディア『BBC』が21日に報じた。

 ポグバは、19日に行われたプレミアリーグ第2節のウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦で、68分に自ら得たPKのキッカーを務めたが、相手GKルイ・パトリシオにセーブされて失敗。チームは1-1の引き分けに終わり、開幕2連勝を逃したことで、戦犯扱いされたポグバはSNS上で一部のサポーターから人種差別を受けていた。

 これを受けてTwitter社は声明を発表。「我々は常にパートナーたちとオープンで健全な対話をしてきましたが、我々のユーザーを守るためにさらなる対策が必要だということを理解しています。我々のプラットフォームにおいて人種差別的な投稿は決して認めておらず、それらを強く非難します」。さらに今後の対策について、マンチェスター・Uイギリスの反人種差別団体『キック・イット・アウト』などと、今後数週間以内に話し合いを行う予定だという。

 ポグバへの人種差別を受けて、マンチェスター・Uは20日に「クラブの全員がポグバへの人種差別に嫌悪感を抱いており、そういった行為を強く非難しています。そのような意見を表明する人たちは、私たち素晴らしいクラブの価値を表していません。マンチェスター・Uはいかなる形の人種差別や差別を決して認めません」との声明を発表。「今回の件に関わった人物の特定を進め、最大限の厳しい措置を講じます。また、ソーシャルメディアの会社に、この件に関して対処してもらえるように働きかけていきます」と人種差別に対する断固たる姿勢を示していた。

 さらにチームメイトのイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードは、「もう十分だ。こんなことは止めなければいけない。マンチェスター・Uはファミリーで、ポグバはファミリーの中でも大きな存在だ。彼を攻撃するなら、僕たち全員を攻撃するのと同じだ」とコメント。

 新加入の同代表DFハリー・マグワイアも「不快だ。ソーシャルメディに関して何か対策が必要だ。全てのアカウントはパスポート運転免許証によって身元を確認すべきだ」と対策を求めていた。

 イングランドサッカー界は、選手協会を中心に人種差別撲滅に向けた様々なキャンペーンを展開しているが、未だに差別はなくならない。6月に『キック・イット・アウト』が発表したレポートによると、昨シーズンのサッカー界における人種差別的発言は、前年比で43%増の「274」件が確認されている。

 今月にはレディング(2部)のコートジボワール代表FWヤク・メイテと、チェルシーU-21イングランド代表FWタミー・アブラハムもPKを失敗したことによって人種差別の対象になっていた。

PK失敗で人種差別のターゲットにされたポグバ [写真]=Getty Images