これまでかなり強く日本を批判してきた韓国の文在寅大統領だが、8月15日の光復節では「日本が対話と協力の道を選ぶなら手を取り合う」と、一転してトーンダウンした。では、このまま日韓関係は回復していくのだろうか。中国メディアの今日頭条は19日、日韓関係は「短期では回復しない」との見方を示し、その理由を分析する記事を掲載した。

 記事はまず、「日本による韓国向け半導体素材3品目の輸出管理強化」に韓国では激震が起きたと紹介。韓国では日本製品不買運動により日本車やビールの販売が落ち込んだほか、日韓秘密軍事情報保護協定の見直しをちらつかせてきたとし、こうした状況に対して日本はフォトレジストの輸出許可を出したと紹介。これは日本が韓国との関係改善に前向きになった証拠ではないかと主張した。

 一方の韓国も日本とは関係を改善したいはずだと記事は分析。韓国国民の反日感情はますますヒートアップしているものの、光復節の文大統領の演説から分かるように、政府としては関係改善を望んでいると論じた。記事は、輸出に過度に依存している韓国経済は厳しい状況で、輸出額は8カ月連続で減少していると指摘し、経済悪化ゆえに日本との関係を改善したいのだろうとしている。

 しかし、記事は「短期間での回復は期待できない」と主張。その理由について、そもそもこの問題は「2国間の歴史と領土問題が積もり積もって爆発した」ことに起因しているため、この矛盾の解決はかなり厄介だと指摘。また、韓国には日本を「屈服」させる力はなく、徴用工問題の判決を変えることもできないため、日韓関係はさらに悪化するとの見方を示した。

 記事は、日韓双方が関係改善を願いつつも早期改善は難しいとの見解のようだが、実際のところ一刻も早い関係改善を望んでいるのは韓国のほうだろう。日本は米国や中国と良い関係にあり、韓国との関係修復を急がなければならない理由は見当たらないが、韓国は経済が落ち込んでいる中で米国との関係が円滑であるとは言い難く、中国との関係は決して良好ではない。さらに、北朝鮮からも厳しい言葉がかけられており、まさに四面楚歌だからだ。どんな打開策を見出すのか、文政権の腕の見せ所と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

韓国には日本を「屈服」させる力はない・・・日韓関係の短期での改善は困難=中国