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 触れ合うことで分泌される「オキシトシン」は、愛情を深める作用があることから愛情ホルモンや幸せホルモンとして知られている。

 愛情ホルモンというだけあって、母性行動や社会行動において大切な役割を担っているホルモンで、女性にはもちろん、男性にだって分泌される素敵な化学物質だ。

 今回発表された研究によると、脳内のオキシトシン受容体細胞の発現場所が特定できたという。これまで、特定を試みた研究はたくさんあったが、実際に成功したのは今回が初とだそうだ。

 オキシトシンの投与は、不安障害、産後うつ病自閉症スペクトラム障害などの多くの精神疾患を緩和できるかもしれないとして期待されている。

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オキシトシンと産後うつ

 そうした治療効果の中でも期待されるのが産後うつだ。

 最近の人間を対象とした研究によって、オキシトシン受容体の発現の変化と産後うつとに関連性があることが確認されている。

 産後うつは母体の健康をおびやかす上に、子供の成長という点でも好ましくない。いくつもの研究によって、うつを患う母親の子供は、認知・感情・行動・健康上の問題が生じるリスクを抱えがちであることが示されている。

 そのため、産後うつは母子ともどもに悪影響を及ぼすものとして、公衆衛生上の主要な懸念事項だ。出産した女性の10~20パーセントが産後うつを発症するというのだから、その対策は急務である。

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Image by Sevda from Pixabay

オスとメスでは発現する場所が違う


 『Plos One』(2019年7月11日付)に掲載された米ルイジアナ州立大学の研究によれば、メスのラットとオスのラットとでは、オキシトシンが発現する脳内の領域が異なっているそうだ。

 これまでも脳内での発現場所の違いを特定しようと試みた研究はたくさんあったが、実際に成功したのは今回が初とのこと。

 この発見によって、オキシトシン受容体細胞を標的とする産後うつの新しい治療薬開発の扉が開かれるのでは、と期待されている。

 せっかくお子さんが生まれたのに、そのせいで落ち込んでしまうのでは残念すぎる。そんなママたちを救うことができる治療薬の登場が待たれるところだ。

References:Scientists find clue to 'maternal instinct' -- ScienceDaily/ written by hiroching / edited by parumo

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http://karapaia.com/archives/52277957.html
 

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