求人広告を出す会社で、営業として働いていたえりた(erita_enikki)さんは、営業時代のエピソードを漫画に描き、Instagramに投稿しています。

今回は、新人だった時に出会った、ある飲食店の店長との思い出を漫画化。「心に響く」と話題になっています。

S店長との出会い

地域密着型の飲食チェーンの店長、Sさんはおもてなし精神にあふれた店づくりをしていて、地元でも評判がありました。

また、客だけでなく出入りする業者にも親切で、新人だったえりたさんもSさんからさまざまなことを学んだそうです。

戸惑いのおせち

仕事ぶりが評価され、Sさんは複数の店舗を統括するエリアマネージャーに昇進。しかし、多忙なせいかだんだん元気がなくなっているように見えたそうです。

年末が近づいたある日、久々に会ったSさんから「本部からの指示で、おせちを5こ以上購入してほしい…」と頼まれました。

ふだんお世話になっているSさんのため、えりたさんは協力することにしましたが、弱い立場の業者を利用するやり方に、疑問を感じざるを得ませんでした。

以前のSさんなら、業者にこのような『頼みごと』をけしてしなかったでしょう。えりたさんの感じた『嫌な予感』は、この後的中してしまうことになるのです。

板挟みの末…


板挟みの末に

年が明けてから、連絡が取れなくなってしまったSさん。

えりたさんが親しい店舗の店長に聞いてみると「過労で倒れてしまった」と聞かされました。

Sさんは以前「スタッフは財産。人材を『人財』にすることで、お客様満足につながる」とえりたさんに話していたそうです。

一緒に働く人を大切にしてきたSさんにとって、新しい経営陣のやりかたは受け入れがたく、心身ともに追い詰められてしまったのかもしれません。

逃げじゃない

その後、退職したSマネージャーからしばらくして電話がありました。

「役職にもついていたのに、逃げるようカッコ悪い」と話したSさん。会社をやめたことに責任を感じ、自分を責めてしまっていたようです。

えりたさんは「逃げじゃない。Sさんの情熱はほかの従業員にも伝わっています」と労いの言葉をかけました。

また、笑えれば

その後、Sさんは地元で惣菜屋を始め、またイキイキと働いているそうです。Sさんの温かな人柄は、どこに行っても愛されることでしょう。

読者からは、さまざまなコメントが寄せられました。

・自分が自分らしく働ける場所が一番です。この漫画を読んで、元気づけられました。

・すごく胸に染みました。以前、飲食で働いていた時に似たようなことがあったので…。 私も頑張ろうと思います。

・Sさんまた笑顔でお仕事出来るようになられて本当によかった。優しくて強さもあってすごいです。

組織で働いていると、自分の考えと合わないことに直面し、やるせない気持ちになる時もあるでしょう。

業界や会社の変化に対応するのはもちろん大事なことです。

しかし、自分らしさを見失うほど追い詰められてしまうようなら、そこはもう『居場所』ではないのかもしれませんね。


[文・構成/grape編集部]

出典
erita_enikki