沖縄・宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで、舞台「夏休みスペシャル アジア交流企画 中国芸術団」がスタートした。期間は、8月25日(日)まで。「夏休みスペシャル アジア交流企画 中国芸術団」は、中国の障がい者による「中国障がい者芸術団」と、中国を代表する雑技団「山東省済南市雑技団」、2つの芸術団が1つのパッケージになったステージ。この2ステージが見られるのは日本初となる。

【写真を見る】9人のバレリーナによる演舞「私の夢」 / 夏休みスペシャル アジア交流企画 中国芸術団

公演は「中国障がい者芸術団」のステージからスタート。9人のバレリーナによる演舞「私の夢」。バレエと手話による詩という彼女たちならではの演目で幕を開けた。

続いては、聴覚障がい者の2人による、“中国版ロミオとジュリエット”さながらのバレエ舞踊劇「蝶々と化す」へ。男女2人の息の合った演舞に、会場は一気に魅せられていく。

舞踊「孔雀の舞」は、ヒロインのダンサーが、体全体を使って孔雀を表現。特に、腕から指先の動きで孔雀の首の動きを表現するダンスは見事のひと言。そして、19人の聴覚障がい者による舞踊「飛びたい」でも、一糸乱れぬパフォーマンスを見せた。

続いて、視覚障がい者の男性による独唱へ。「天域」という中国語の楽曲を歌い上げた後、沖縄の観客にサプライズが!

沖縄県民にとってもなじみの深い「涙(なだ)そうそう」を日本語の歌詞で披露。素晴らしい歌声と日本語による思いがけないプレゼントに、会場からは万雷の拍手が贈られた。

そして、ラストは「千手観音」。「中国障がい者芸術団」の代表的なパフォーマンスにして、真骨頂。聴覚に障がいを持ちながらも、音楽に合わせて動きを合わせる様子は、まさに言葉で表現できない美しさだ。

約30分、6演目のパフォーマンスで、すっかり沖縄の観客を魅了した。

15分間の休憩の後、「山東省済南市雑技団」のステージへ。1958年に創設された雑技団で、2006年からは中国で高名な演出家・粉墨氏が演出を手がけ、中国の古典芸術・京劇の要素を取り入れた全く新しい雑技を生み出している。こちらは、中国の古典芸術の要素を取り入れた衣装や音楽とともに、妖艶だけではなく、アクロバティックなパフォーマンスを展開。

オープニングで音楽とともにダンスとバック転などのアクロバティックな動きを見せた後、シルク帯を使った女性陣の妖艶なステージで幕を開けた。

観客がどよめいたのは、この後の「竹竿での逆立ち」。全身美しい筋肉で覆われた男性が、ステージから垂直に伸びた、回転する竹竿を使って、腕2本で体を真横に支えたり、竹竿の上で逆立ちをしたりと、まるで無重力空間をさまよっているような動きを披露した。超人技の連続に、観客からは何度も拍手が。

その後、「フラフープの芸」、男性10数人ほどが次々にアクロバティックな動きをする「輪潜りの芸」と続き、観客はウットリしたり、ドキドキしたりと、団員たちの身体能力の高さに圧倒されっぱなし。

中国コマを自在に操る「中国コマの芸」に続き、男性陣による「アクロバット芸」に突入。人と人が重なり、また、倒立で高さを出しつつ、その上で回転をしたり、男性らしい力強さとしなやかな芸の数々で、こちらも息つく暇を与えない見事な演技を見せた。

フラフープの芸」では柔軟な体使いでいくつものフープを一気に回し、ラストは、何段も重ねられた椅子で圧巻のバランス感覚と力強さを見せた「高椅子の芸」で締めくくられた。

フィナーレは、両チームの全団員が再びステージに登場し、「We are the world」を歌い上げる。歌の力もさることながら、中国と日本の手旗と沖縄県の県章が入った手旗を振りながらの歌う姿は、観客の感動を誘った。

閉演後、ロビーにて両団員の代表者がマスコミの囲み取材に参加。

息の合った「千手観音」の秘訣について、「“呼吸”によって動きを合わせています。音は聴こえませんが、先生の指揮による手の動きとメンバーが発する呼吸によって合わせていきます」とコメント。

さらに、団員たちは「沖縄の観客の皆さんは情熱的で友好的。25日まで続くので、私たちのショーを楽しんでください!」と声をそろえた。

夏休みの最後の思い出作りに、本場中国の芸術的な演舞をぜひ味わってほしい。

[夏休みスペシャル アジア交流企画 中国芸術団]2019年8月18日(日)〜8月25日(日) / 前売り:1階席5500円、2階席5000円、3階席4000円 / 当日:1階席6000円、2階席5500円、3階席4500円 / 沖縄・宜野湾市「沖縄コンベンションセンター」劇場棟にて開催(九州ウォーカー・九州ウォーカー編集部)

中国障がい者芸術団による「千手観音」 / 夏休みスペシャル アジア交流企画 中国芸術団