26歳の金髪Rachelと23歳の短髪Mamiko、2人合わせてchelmico。昨年8月にメジャーデビューした女性2人組ラップユニットが、スターダムの階段を一段飛ばしで駆け上がっている。「ハトムギ、玄米、月見草~」というお馴染みのフレーズに、ラップを加えた楽曲「爽健美茶ラップ」で同商品のCMにも出演。8月21日発売のセカンドアルバムFishing』は先達から認められる超絶ラップスキルchelmicoならではの「ポップラップ」路線はもちろん健在。拡大を続けるラップ界においても傑出したオリジナリティを放つ彼女たちの魅力を解き明かす。

◆ウチらフリースタイルはNGなんです。やれと言われてもできません

――もともとは遊び友達だった2人がカラオケRIP SLYMEを歌いまくっているうちに、ラップが超うまくなっていって、いつの間にやらメジャーデビュー。この説明だと、乱暴すぎですかね?

Mamiko(以下、M)&Rachel(以下、R):間違ってないです!

M:でも、もうちょっと細かく言っていこうか、せっかくだし(笑)

R:出会いは’14年の春、西日暮里マックの2階ですね。趣味でカメラをやっている共通の友人が、「2人で一緒に撮ったら面白いと思うから」って引き合わせてくれたんです。その日にLINEは交換したけど、しばらくつかず離れずの仲で。

M:そう、特別すぐに仲良くなったわけじゃなくね。

R:その共通の友人が女のコをもう何人か増やして、今度はスタジオで撮影しようって誘ってくれて。室内だったから、その日は音楽を流せたんですけど、何曲目かでRIP SLYMEの曲が流れたんですよね。気がついたら、RIP踊っていたのが私たちだけだった。踊りながら目が合って……。

M:アンタも踊れんの!?」って。

――RIP SLYMEど真ん中世代は、もう少し上ですもんね。

M:でも、「RIP、最高だから!」って盛り上がったよね。

R:「アタシ、RIPの夢小説、読んでいるからね」と言ったら、マミちゃんが「ハッ? 私もなんだけど」ってなってね。

M:それですっごい仲良くなって、「カラオケに行こう!」と。RIPを歌いまくりましたね。

R:その頃、ちょうど「シブカル祭。」のイベントに出ることになって、「レイチェルラップやったら?」ってなって。「1人だと恥ずかしいから友達を誘ってもいい?」と言って、マミちゃんに「ラップやらない?」と連絡したんです。

M:私は受験生だったんですけど、「いいよー」と返事して。少し前に『TOKYO TRIBE』というラッパーの映画を見て、気が大きくなってたんですよ。

R:それで「シブカル祭。」でラップを披露したら、手応え感じちゃったんだよね。「ウチら、イケてんじゃね?」って。

M:で、今に至る、と。

◆ラッパーだと胸張って言えるようになった

――ラップスキルはどうやって磨いていったんですか?

R:ラップの曲をめっちゃ聴いて、耳コピですね。で、カラオケでうまく歌えるか確認してみる。「この曲がかっこいいから完璧に歌いたい」みたいな気持ちが、結果的に練習になっていたのかなと思います。最近だとSpotifyでいい曲を聴いたら、歌詞を出して歌えるようにしたりとか。

M:あっ、そういうのはしてる。それ以外のことは今もしてない(笑)

――自分たちが作った楽曲に関しても、ライブで完璧に歌おうとするから、結果的にラップの超絶スキルに繫がるんですね。

R:だから、ウチら“フリースタイル”はNGなんです。

M:やれと言われてもできません。

――そもそも「女性2人組ラップユニット」って、意外にも今の音楽シーンでぽっかり空いた枠だった気がします。

M:ラップをしている女性って、1人で活動している人が多いですよね。2人組ってまず少ない。

R:あと、こういうダボッとしたメンズライクなお洋服を着ている女性のラッパーもあんまりいないですよね。かわいらしい、女性らしいほっそりしたお洋服の人とか、B‒Girlみたいな人はいるけど。

M:「ラッパーだからこうしなきゃ」とか、無理をせずにやっています。自分たちが着たい服を着るし、「I’mマミコ」とか「マザーファッカー」とか言わない。

※8/20発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです

chelmico】
’14年結成。’15年にはオリジナル楽曲「ラビリンス’97 」をインターネット上で発表。’18年、ワーナーミュージックジャパン アンボルデからメジャーデビュー。その後も活動の幅を広げ、爽健美茶などの数多くのコマーシャルに楽曲を提供している

取材・文/吉田大助 撮影/ティムギャロ ヘアメイク/カワムラノゾミ スタイリングRYO CHIBA
衣装協力/アコテ イトゥ サカ ディーゼル ドクターデニム ノース ワークス ブレイン デッド ホットソックス ライツ バイ ヤスコ コンドウ