YouTuberはシビアな世界だ

8月21日放送の『のぞき見ドキュメント 100カメ』(NHK総合)。職場に100台の固定カメラを設置して、人々の生態を観察する特別企画のドキュメンタリーだ。昨年は少年ジャンプ編集部に密着して大きな話題となったが、今回はファッション通販大手「ZOZO」と、人気ユーチューバー集団「はじめしゃちょーの畑」を紹介した。

ネット上では特に、「はじめしゃちょーの畑」の舞台裏に注目が集まった。楽しげな撮影風景とは裏腹に、メンバーの進退に関して厳しく接するはじめしゃちょーが印象的だった。はじめしゃちょーは、「畑」のメンバー入りが叶わなかったゴッチに対して、

「したいことをやって稼ぎたい気持ちも分かるんですけど、実際数字が命なんで」

というシビアな言葉をぶつけ、ユーチューバーという仕事への覚悟を語った。(文:okei

はじめしゃちょー「いつ『畑』が潰れてもおかしくないっていう心構えでやっている」

はじめしゃちょーはチャンネル登録者数800万以上の人気ユーチューバー。「畑」は、はじめしゃちょーが1人で運営しているメインチャンネル以外の新たな試みとして昨年開設され、チャンネル登録者数は170万人を超える。番組で紹介された正式メンバーは、はじめしゃちょー、だいちぃ、たなっち、やふへゐ先生、トマトクンの5人だ。

今回は、ほかに出入りするメンバーのひとりとして、「畑」に正式加入したいというサラリーマンのゴッチさん(28歳)が話題の的になった。ゴッチさんは、新メンバー募集(既に終了)に応募するも、5000人の応募者の前に敗れた。

後日ゴッチさんの特別面接が行われたが、ゴッチさんは、親から「老後や生活は大丈夫か」と心配されていることや、サブキャラのような位置で「チラホラ出ていればいいかな、なんか映ってるくらいで」と消極的な言葉を並べてしまう。

これにはじめしゃちょーは、「したいことをやって稼ぎたい気持ちも分かるんですけど、実際数字が命なんで」と口火を切ると、

「好きなことばかりはできないってことは頭に入れておいて欲しいなと。ボクもだいちぃ君も、いつ『畑』が潰れてもおかしくないっていう心構えでやっております。リスクのある世界だというのは覚えておいてほしい」

と、厳しい言葉を投げかけた。ユーチューバーとしてやっていくには覚悟がない、と判断されたのだ。ゴッチさんはクビが決定した。

ツイッターではファンから、「ゴッチの認識が甘い」「あんな適当な気持ちで」など、クビも仕方ないという意見や、「可哀想」という声が相次いだ。

「自分の人生なんで一生懸命考える時」「大人なんだから親じゃない。自分がどうしたいか」

コメント担当のオードリーの2人が、クビが決まってもなかなか帰らないゴッチに「早く帰れ」と連呼する場面があり、ツイッターではファンから「オードリーは何も知らないくせに」「不快」という不満が続出。しかし若林さんは、

「おれが感じたことのないドライさ、シビアさもあるんだよね」

ともコメント。再生回数という数字がきっちり出て、その数字が収入に直結するユーチューバーは、シビアにならなければトップを維持することなど不可能だろう。若林さんはそのシビアさを感じたようだった。

ゴッチさんのクビが決まりメンバーに報告されたものの、遅くまで残りなかなか帰ろうとしないゴッチさんには、メンバーのトマトクンが「自分の人生なんで一生懸命考える時ですよ」と言葉をかけている。「親説得できればってところなんすよね」と返すゴッチさんに、

「いや大人なんだから親じゃないっすよ。自分がどうしたいかっすよ」

とぴしゃりと指摘。やはり「やりたいことで稼ぐ」覚悟を持っている人の言葉として重みがあった。