エアドロップ(oatawa/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

触るだけが、痴漢ではない。今回は、端末を使った卑猥な行為が摘発された。ツイッターのトレンド入りもしたこの事件について福岡県警を直撃するとともに、今更聞けない「エアドロップ」を探った。

■女性の裸の画像を…

福岡県警早良署は20日、福岡市西区居住の会社員(37)を県迷惑防止条例違反(卑わいな行為の禁止)の疑いで、福岡区検察庁に書類送検した。

書類送検容疑は7月5日午後8時40分すぎ、同市営地下鉄空港線の電車内で、エアドロップで女性の裸の画像1枚を同県糸島市の男性(34)のiPhoneに送信したもの。

同署によると、被害男性は、電車内でスマートフォンを手にしながら周囲をうかがう不審な男性を発見。西新駅で降りた男性を追い掛け、110番した。調べに対して「何回か同じことをやった」と容疑を認めているという。

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■容量制限がない

エアドロップとは、近くにあるAppleのデバイス同士で写真や位置情報、URLなどさまざまなデータを送受信できる機能。iPhone同士はもちろん、iPhoneで撮影した写真をMacBookへと送信したり、逆にMacBookで調べた地図情報をすぐさまiPhoneに共有することもできる。

iOS7から導入されており、通信はWi-FiやBluetoothといったワイヤレスで行われる。容量制限もないため、大量の写真や重い動画でも手軽にやり取りできるのは大きなメリット。

ガラケーにおける赤外線通信のようにデバイス同士を向き合わせる必要もなく、煩わしさとも無縁。データは送ると同時に暗号化されるため、安全性も高い。

■不適切な画像を送りつける行為

エアドロップの機能を悪用し、他人のデバイスを狙って不適切な画像を送りつける行為を、「エアドロップ痴漢」と呼んでいる。もちろん受信を拒否することはできるが、突然画面に送られた画像が表示されるため、見たくもないモノが目に飛び込んでくることになる。

プレビュー画面に表示される送信者の情報は、相手がデバイスに設定した名前だけで、ほとんど匿名に近い。一方で被害者側は、嫌がらせに対する反応から顔を特定される危険性もある。過去には逮捕者も出ている完全な犯罪で、ネットでは被害の声が相次いでいるのが現状。

「エアドロップ痴漢」は大阪や兵庫でも摘発されており、わいせつ画像を送られてきた際の面識のない女性の反応を楽しむ目的で、女性が狙われるケースが目立つという。

主に異性を狙い撃ちして行われるため、デバイスの名前から性別を特定されないようにすれば、被害に遭う確率は減るだろう。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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