親の土地家屋を相続したものの、どうしたらよいか分からないために、そのまま保有しているという人は意外に多いようです。

相続した不動産をどうするかは、立地、周辺環境、不動産自体が持つ特徴、自分の他にも相続人がいるかどうかで判断します。

今回は、

  • 相続人は60代の息子1人。息子は別の場所にマイホームを所有している
  • 相続する不動産は、親の持ち家。築30年の木造一戸建てとその土地
  • 息子は不動産の運用もしくは売却を考えているが、面倒なことは嫌で借金はしたくない。処分の際もできるだけお金をかけたくないと思っている

という設定として考えます。

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1.売却する場合

実家

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築30年の木造住宅は、耐用年数を超えているために、以前は売却時に更地にすることを条件に売りに出すのが一般的でした。

しかし、近年は中古住宅を購入してリノベーションする需要があるために、中古住宅として販売するのもよいでしょう。

1-1 住宅を残して売却か、更地で売却か

土地

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中古住宅として販売するなら、解体費用がかからずに済みます。

古家付きで売る場合は、価格設定を慎重に行うべきです。

築20年以上の木造家屋は住宅ローン控除の適応を受けることができないので、解体する可能性もあります。

そのために、解体費用を買主が負担することを考慮して値付けすべきです。

売主が更地にして売却する際は解体費用がかかりますが、売却にかかる諸経費として譲渡益から差し引くことが可能です。

どちらにするか、よく考えるべきです。

1-2 更地でも使える、「空き家に対する3,000万円特別控除」

「空き家に対する3,000万円特別控除」は、相続発生から一定期間であれば、売却益から3,000万円を控除できるという特例です。

マイホームではない不動産を売却したときは、譲渡益に対し15~30%の高い所得税率が課されますので、この控除を受けることは非常に意味があります。

一時的にでも事業や賃貸を行うと、この特例は適用できないので注意が必要です。

2.賃貸に出す場合

賃貸に出す場合は家賃収入がありますが、税金もかかります。

工事

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2-1 賃貸に出すとかかる税金は?

個人が家を貸すなどの不動産賃貸業を始めると、国税である所得税復興特別所得税と、地方税である住民税が発生する可能性があります。

今回のケースでは発生しませんが、一定規模以上の不動産を賃貸し、所得が一定額以上となると事業税もかかってきます。

個人が家を貸すことで、新たに税金が発生するのではなく、既に支払っている所得税復興特別所得税、住民税が、家を貸すことによって増額されるのです。

固定資産税および都市計画税については家を貸しても引き続き支払うことになります。

2-2 賃貸中はリフォームやメンテナンス代が必要

賃貸中は、家賃が入ってきますが、修繕費もかかります。

築20年超の物件は、雨漏りや給湯器の故障など、住まいのいろいろなところに不具合が生じてきます。

自宅ならば放っておいても何も言われませんが、賃貸に出す場合はメンテナンスを行わなくてはなりません。

また、退去の際にリフォームを行う必要が出てきますので、まとまったお金を用意しておくべきです。

3. おすすめは中古住宅として売却する

古家

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今回のケースで最もおすすめするのは、中古住宅として売却することです。

築30年の木造住宅なので、買主が住宅を解体する可能性が高いですが、解体費を支払うのが嫌ならば、解体費用を値引いた売却価格にすべきです。

また賃貸に出すと、定期的な固定資産税、メンテナンス費用等の支出がかかりますので、今回のケースの息子には向いていないようです。

 

親の住まいを相続したときに、あなたならどうしますか。

立地、周辺環境、建物の特徴、相続人の数などを踏まえて、家族を交えて相談しておきましょう。

 

ファイナンシャルプランナー(AFP)/宅地建物取引士/一般社団法人家族信託普及協会®会員  吉井 希宥美

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