がんを患う飼い主の男性の帰りを自宅で待っていたペット犬が今月11日、息を引き取った。飼い主は同じ日の15分ほど前に亡くなっており、家族は愛するものを一度に失い悲しみに暮れている。『PEOPLE.com』『Metro』などが伝えた。

スコットランド、アロア在住のスチュアート・ハチソンさん(Stuart Hutchison、25)は2011年に脳腫瘍と診断され、それから8年間病気と闘ってきた。手術や化学療法を繰り返してきたものの一度も寛解することがなく2度のがん再発を経て、今年の8月11日に生まれ育った実家で亡くなった。

スチュアートさんは6年前に知り合ったダニエルさん(22)と2017年に婚約し、今年1月に結婚したばかりだった。2人はフレンチ・ブルドッグのネロ(2)とナラ、そして2匹の子供であるアメリアを飼っており、スチュアートさんは特にネロとの相性が抜群で、何をするにも一緒だった。

3月には「化学療法が効いている」と医師から聞いて喜んでいたスチュアートさんだが、5月のスペイン旅行中に手に痛みを感じ、6月に行ったスキャンではがんが骨、骨盤、そして脳全体に広がっていることが明らかになった。

病気の進行が速くこれ以上手の施しようがないことを悟ったスチュアートさんは、自分が生まれ育ったアロアの実家に戻り、そこで最期の日々を過ごす決断をした。亡くなる4週間前のことだった。薬局でアシスタントの仕事をしているダニエルさんもスチュアートさんの実家で寝泊まりし、義母フィオナ・コナガンさんFiona Conaghan、52)の助けを借りながら夫に寄り添った。

そして迎えた11日の朝、不思議なことが起こった。ダニエルさんが目覚めるといつも使っているグラスが割れていたのだ。これが不吉な出来事の前兆だったのか、スチュアートさんはその日危篤状態に陥った。その後、ダニエルさんの父親が「少しでも長く、ダニエルがスチュアートさんと一緒にいられるように」と配慮し、新しいグラスを持って犬たちが待つ娘夫婦の家に立ち寄った。するといつも元気なネロが苦しんでいることに気付いた。これは尋常ではないと判断したダニエルさんの父親は、すぐに動物病院に連れて行ったが、ネロは医師らが治療する間もなく旅立ってしまった。脊椎になんらかの異常があったという。

その日のことを、フィオナさんは次のように語っている。

「ネロが亡くなる約15分前の午後1時15分にスチュアートは息を引き取りました。ネロは息子の後を追うように死んでしまったのです。不思議なものですよね。ネロはずっと元気だったのですから…。息子はネロをとても可愛がっていて、ネロもそんな息子が大好きでした。偶然と言えばそれまでですが、息子とネロの間には私たちにはわからない絆があったのかもしれませんね。」

「スチュアートの死期が近いのは分かっていましたが、やはり実際にいなくなってしまうと寂しいものです。ネロが亡くなり、悲しみは募るばかりです。ダニエルさんはそれでも気丈に振舞っていますよ。」

スチュアートさんの葬儀は21日に行われ、その亡骸はアロアにあるサニーサイド墓地の祖父母のお墓の隣にネロと並んで埋葬されたという。

画像は『Metro 2019年8月20日付「French bulldog dies 15 minutes after owner, 25, lost cancer battle」(Picture: Hutchison family / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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