中国では近年の急激な経済成長に伴い、欧米の食文化やファーストフードが流入し、肥満人口が急増していると言われる。肥満は生活習慣病につながる要因とされているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本人の平均寿命は中国人よりも約10年も長いと指摘し、日本が世界の長寿国と成り得た理由を分析する記事を掲載した。
記事は、日本が世界有数の長寿国であるのは統計が示しているとし、2018年の日本人女性の平均寿命は87.32歳、男性は81.25歳であり、年々伸びていると強調。これに対し中国人の平均寿命はおよそ75歳で、著しく低いわけではないものの、日本人との差は明確だと指摘、同じアジア人なのに「これほど大きな差があるのはなぜなのか」と問いかけた。
続けて、日本と中国の違いに着目し、「日本人が長寿なのは4つの要素が関係している」と主張。それは、「栄養バランスの取れた食習慣、運動習慣、有害排出物の規制、医療制度」であると主張。和食は、中華料理に比べて脂っこさがなく、栄養バランスも取れていると指摘したほか、日本では健康の維持には「運動」を取り入れることが大切だと広く認識されていると指摘した。
さらに、2015年のデータではあるものの、中国では大気汚染が原因の疾患で1日4000人が死亡しているという報告があったが、日本では大気や水質を汚染する物質の排出を制御するための法律が整備されていてると伝えた。また、医療保険制度の整備によって、日本国民は質の高い医療サービスを気軽に受けることができることも、日本人が長寿である要因の1つであると指摘した。
中国では結婚後も共働きが一般的で、近年は食事をデリバリーサービスで済ませたり、外食で済ませるといった家庭は珍しくはない。また、学校のカリキュラムにしても学業が重視されるゆえに、子どもの時点から運動不足となり肥満が増加しているという現状もある。また、中国のネットユーザーからは「中国の医療制度は金儲に特化されている」と嘆く声が寄せられていたが、医師から適切な健康指導や予防医療が受けられないケースも多いようだ。寿命には多くの要素が関係しているため、一概には言えない部分はあるものの、中国が国民の寿命をのばすうえでは「日本から学べる点が多くある」のは事実だろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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