キャッチボール屋」や「お盆の弟」などで知られる大崎章監督が、シンガーソングライター・西山小雨の楽曲「未来へ」を原案に、全シーン“即興芝居”で紡いだ異色の青春映画「無限ファンデーション」が8月24日(土)よりK's cinemaほかで全国順次公開。少女たちの掛け替えのないひと夏の物語が展開される。

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今回は、服飾デザイナーになりたいという夢を抱く人付き合いが苦手な女子高校生・未来役の南沙良にインタビューを実施。

映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」でブルーリボン賞新人賞など数々の賞を受賞するなど、演技力に定評がある彼女は即興芝居に挑戦したエピソードや演じる上で心掛けた点、役への思いなどを語ってくれた。

映画のタイトルにちなんだ“無限”と“ファンデーション”にまつわる質問では10代の女の子らしいかわいい素顔が垣間見えるかも?

――即興芝居ということですが、設定などはどこまで決まっていたんですか?

撮影前に1、2回リハーサルがあって、そこで全体の流れなどを説明していただいたんです。でも、みんなでお芝居をしていくうちに、どんどん変わっていくということを伝えられて…。

――相手のセリフによって変わることも?

リハーサルとは違うお芝居になることが多かったです。

――確かに、片岡礼子さんが演じる母親と未来のやりとりは、どこまでがお芝居なのか分からなくなるぐらい自然でしたね。

親子のシーンは、自由にやらせていただきました(笑)。他の共演者の皆さんとも特に打ち合わせをせず、本番でぶつかり合う感じが面白かったです。

――服飾デザイナーを目指す未来との共通点はありましたか?

私もお洋服を作るのが好きなんです。思ったことや感じたことを自分の中で完結させてしまうところも含めて重なる部分がたくさんありました。

――未来を演じる上で心掛けたことは?

自分と似ていると思ったからこそ、あまり重なり過ぎないようにしようと。結構違うなと感じた部分も多かったので、自分との区別をちゃんとつけながらお芝居することを心掛けました。

――どんなところが自分と違っていましたか?

変に図々しいところ(笑)。神経が図太いというか、芯が強いところは自分と違うのかなと思いました。

――そんな未来に対して憧れたりすることも?

物語が進むにつれて、いい意味でちゃんと自分の欲が出てきたところは人間らしいなと。未来のことがすごくかわいく見えてきました。

――即興芝居を経験して何か新しい発見はありましたか?

最初に出演した映画は「幼な子われらに生まれ」という作品だったんですけど、どうやって撮影するのか何も分からなかったんです。

その時に監督の三島有紀子さんからアドバイスを頂いた「お芝居をしなくていい。相手からもらったものに対して自分が感じたことや思ったことを形にして投げ返せばいいだけだよ」という言葉が印象的で、ずっと自分の中で大切にしていました。

今回の作品で即興芝居をした時にその言葉がつながったというか「あ、これでいいんだ」と再確認できたことは大きかったです。

■ 南「結構暴走したりして(笑)」

――劇中では、未来を軸にちょっと“面倒くさい”青春が描かれますね。

未来は友達がいない女の子だったので、周りとの距離感みたいなものがあまり分かっていないんです。だから、結構暴走したりして(笑)。ナノカ(原菜乃華)ちゃんとの関係も演じながらもどかしさを感じていました。

――未来はウクレレを弾きながら歌う不思議な少女・小雨(西山小雨)とも出会いますが、ナノカと一緒にいる時と演じ方を変えたりしたんですか?

特に意識することはありませんでした。未来にとってナノカちゃんは“神様”みたいな存在なんです。

――ナノカに対して「後光が…」という未来のセリフがありました(笑)。

そうです、そうです(笑)。距離感をうまく取ることができていないんですけど、ナノカちゃんのことをすごく“称えて”いるんです。そういう気持ちを大切にしながら演じていました。

――小雨ちゃんは、どんな存在?

ハッピーオーラがにじみ出ていて、いい意味で周りを巻き込んでくれるような存在。そんな感じが、すごく楽しかったです。

――西山小雨さんが、劇中で披露している歌もすてきですね。

何度聴いても感動します。今回、共演したことがきっかけとなって小雨さんのライブに何度かお邪魔することができました。私は「未来へ」が大好き。

小雨さんの明るさとかわいらしさ、そしてどこか切ない感じがギュッと詰まっているすてきな曲だなと思っています。

――未来はかわいい服を着ると心が弾んでいましたけど、南さんは何をやっている時が一番楽しいですか?

本を読んだり、アニメを見ている時です。最近読んだ小説は辻村深月さんの「盲目的な恋と友情」。ものすごく衝撃を受けて、ちょっと引きずっています(笑)。

――映画のタイトルに“ファンデーション”というワードが入っていますけど、南さん流のメイク法は?

ファンデーションは、あまり使いません(笑)。リップは必ず持ち歩いています。

最近はオレンジメイクが好きで、リップもそうですし、シャドウやチークもオレンジ色にしたりとか。白のアイライナーにもハマっています。

――アイライナーは、その日の気分によって変えたりするんですか?

いつもブラウンを使っているんですけど、少しリフレッシュしたいなと思ったり、気分を上げたい時に白やピンクなどの違う色にすることがあります。

――まだまだ暑い日が続きますけど、夏の美容法は?

私はすごく日焼けしやすいタイプ。日傘は絶対欠かせません。外にいる時は2時間に1回、日焼け止めを塗り直します。

あと、結構長い時間歩いたりすることがあるので手袋も大事。毎年、夏はホントに大変です(笑)。

――“無限”に関する質問もしてみたいのですが…。どんな食べ物だったらいつまでも食べ続けることができますか?

マカロンとタン塩!(笑)

――甘い物としょっぱい物をありがとうございます(笑)。

焼き肉を食べに行ったら、絶対タン塩は注文します。ネギが乗っていないシンプルで薄いタン塩が大好き! 

マカロンは、割と派手な色をしている方がいいですね。この2つなら無限に食べられるような気がします!

――無限にやり続けることができる趣味は?

刺繍ならできそう。ミシンを使っていると時間を忘れてしまいます。

――では、最後にメッセージをお願いします!

まず最初に、この作品は即興芝居の映画だということを必ず知っておいていただきたいです。予備知識がなく見ると「えっ?」ってなってしまうかもしれないので(笑)。

でも、即興ならではの自由なところが面白い作品。セリフを言う順番も特にしっかりと決まっていないから独特の間だったり、どことなくみんなが探り探り芝居をしているところもあるので、そういう何とも言えない不思議な世界観を楽しんでいただけたらうれしいです。

ぜひ、劇場に足を運んでください!(ザテレビジョン・取材・文=月山武桜)

インタビューに応じた南沙良