1位は柿谷の芸術弾、ピクシーの“革靴ヒール”もランクイン

 過酷な真夏のゲームが続くJリーグは、今週末にJ1が第24節、J2が第29節を迎える。優勝争い、残留争い、昇格争いともに勝負の終盤戦へと突入し、各試合がさらにヒートアップすることは必至だが、リーグ公式ツイッターは22日に1本の動画を公開。「まさに美技!! TOP10」との一文を添えて、Jリーグ史に残る「衝撃的なヒールでのプレー」の瞬間を紹介している。

 一番手で10位として紹介されたのが、ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタだ。昨年10月6日の第29節V・ファーレン長崎戦、敵陣ペナルティーエリア手前の左サイドで相手ゴールを背にしてボールを拾ったイニエスタは、相手3人に囲まれるなかワントラップ後に間髪入れずに右足のヒールキックで縦のスペースへスルーパス。ゴールにはつながらなかったが、味方にフリーでクロスを上げさせる好機を演出した。

 変わり種としてランクインしたのは9位のストイコビッチだ。現役時代に名古屋グランパスで数々の伝説的なプレーを見せてきたが、今回紹介されたのは監督時代の2008年の一コマ。ベンチ前に飛んできたボールに反応した“ピクシー”は、革靴でトラップ後、右足のインステップでボールを浮かせると、体を反転させながらヒールキックでスローインを行うために近づいた相手にボールを渡している。

 その他にもFW藤本憲明(現・神戸)やFW北川航也(現ラピド・ウィーン)の華麗なバックヒール弾、“レフティーモンスター”FW小倉隆史のヒールによる“裏街道ドリブル”が紹介されたなか、1位に輝いたのは10代の頃から天才的なプレーで魅了し、“ジーニアス”の異名を持つセレッソ大阪のFW柿谷曜一郎が決めた一撃だった。

 16年3月12日、バーゼルから古巣に復帰したばかりの柿谷は、J2第3節のザスパクサツ群馬戦で左サイドからのクロスが折り返されたボールにペナルティーエリア内で反応。相手ゴールを背にした状態で右足トラップすると、やや後方に流れたボールをコントロールしながら、次の瞬間に左足でヒールキック。シュートは浮き球となってゴール左に吸い込まれた。

 この動画公開を受けて、ツイッターのコメント欄には「ヒールって浮くの普通? 柿谷うま」「曜一朗のあれはサブイボ」「ピクシーのボールの蹴り方ってアートを感じる」など、名手たちが見せた“ヒールキックの美技”は時が経っても色褪せないようだ。(Football ZONE web編集部)

(左から)FW柿谷、MFイニエスタ、ストイコビッチ監督【写真:Getty Images&Noriko NAGANO】