カーテンやクロス(壁紙)の老舗メーカー、サンゲツは今年春からEC事業を手掛けている。ECサイト「WARDROBE sangetsu(ワードローブ サンゲツ)」を3月28日にオープンし、現在はカーテン、クッション、マルチカバーなどファブリックス商品を販売している。

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 サイトで販売する商品は、30~40代をターゲットに「インテリアをファッションのように気軽に楽しむ」をコンセプトとしたECオリジナルの「WARDROBE sangetsu」のみ。税込価格は、ドレープカーテンで7400円から、クッションカバーで3700円など。

 サンゲツは、EC参入の理由として、国内EC市場の拡大とともに、インテリア分野でもEC比率が高まっており、変化する消費者動向をこれまでの商品開発力・提案力を生かした「インテリアを通じたライフスタイル提案」でキャッチアップするとしている。

 一方、家電量販店のヤマダ電機は、家電をコアに住宅やリフォーム、インテリア、金融、不動産などをプラスした「住宅まるごと」の提案ができる新業態「家電住まいる館」を2017年にスタート。今年7月には、カーテンなどのファブリックス商品と、業務提携した大塚家具の商品を本格的に展開するという、ショールームを兼ねたリアル店舗を強化するという、サンゲツとは正反対のアプローチを取っている。

 コンセプトはどちらも「ライフスタイル提案」だが、なかなか消費者に響かないのではないか。EC・リアル店舗の両方を手掛ける二トリ、無印良品、島忠・ホームズから、Amazon.co.jpのマーケットプレイス、「楽天市場」「dショッピング」などに出店する店舗まで、低価格帯や、30~40代が好むECサイトは既に競争過剰気味。家電と住宅設備の境界線が交差する中、ライフスタイル提案を進める各企業に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)