投獄され悲観的になり自殺を試みる受刑者は一定数いるという。中には、危険なものを制限し、自殺を防止しようとする刑務所サイドの対策の斜め上を行く方法で、自らの命を絶とうとするケースもあるようだ。

 中国の51歳の男性が、胆管に詰まっていた歯ブラシを取り除く手術をしたと、海外ニュースサイト「MIRROR」が8月9日に伝えた。

 中国・深セン市在住の男性は、激しい腹部の痛みを感じ病院で診察を受けたという。CTスキャンによる画像診断を行った結果、男性の胆管に長細い物体が詰まっているのを発見。内視鏡を使って除去手術をしたところ、物体は完全に黒ずんで、ブラシも無くなった歯ブラシだったことが判明したという。もし胆管を通過した場合、肝臓に到達し最悪の場合は死に至っていた可能性が高かったようだ。

 歯ブラシが胆管に詰まっていたのは、男性の自殺未遂が原因だったという。男性は20年前に薬物使用の罪で逮捕され、独房に投獄されていた際に、HIVに感染していることも発覚。自暴自棄になった男性は、歯ブラシを丸飲みし自殺を試みたが、何事も起きずそのまま刑期を全うしたそうだ。現在は薬物をやめ、結婚し2人の子宝にも恵まれているという。

 このニュースが世界に広がると、ネットでは「いま幸せなら、死ねなくて良かった」「ラッキーだった。神様に生かされたのかも」と祝福する書き込みのほか、「ここまでして死にたいのか…」「よく歯ブラシを飲み込めたな」「だいたい歯ブラシで自殺できるものなのか?」「20年平気だったのに、いまさら痛くなるとは不思議」との声も見受けられた。

 刑務所内にある身近なアイテムを使って独房で自殺を計ったケースは、日本でもあった。

 千葉刑務所で40代の男性受刑者が、箸で自らの両目を刺し自殺したと「千葉日報」が2015年2月7日に報じた。

 同刑務所によると、2015年2月5日の午前3時50分ごろ、独房にいた受刑者が両目のまぶたから血を流し、四つんばいで苦しんでいるのを巡回中の職員が発見。病院に搬送されたが、翌日の午前中に死亡したという。室内には折れた箸が残され、両目に血痕があったことから、両目を刺した箸が脳の近くまで達し、外傷性くも膜下出血で死亡したと見られるとのことだ。

 千葉刑務所は刑期が8年以上の重罪初犯者が収容される施設となっており、自殺した受刑者の動機は不明だが、刑務所生活に絶望したとの見方もあるようだ。

 受刑者の中には罪を償っている最中に、とんでもない方法で自殺を試みる人間も、少なからずいるようだ。

記事内の引用について
Doctors remove toothbrush from man's intestines that he swallowed 20 years ago
https://www.mirror.co.uk/news/weird-news/doctors-remove-toothbrush-mans-intestines-18875866
40代受刑者が自殺 千葉刑務所 (千葉日報オンライン )
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/239367

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