8月23日、電気通信事業法の一部を改正する法律(改正電気通信事業法)の施行に伴う関係省令などの整備などに対する意見募集(パブリックコメント)の結果と、それに対する情報通信行政・郵政行政審議会からの答申が公開された。あわせて、総務省は「電気通信事業法の一部を改正する法律によるモバイル市場の公正な競争環境の整備に関する基本的考え方」を公表した。

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 おおむね6月18日に公表した「モバイル市場の競争促進に向けた制度整備(案)」に沿ったものだが、「スマートフォン」は改正電波法の施行日(2019年10月1日)に全ての規定を適用。タブレット端末や従来型携帯電話など「スマートフォン以外」は、法定禁止行為を除く他の規律について今年末まで規定の適用を留保して、来年から全ての規定を適用すると新たに決まった。

 パブリックコメントには、ソフトバンク楽天モバイルなど、通信事業者・業界団体に加え、Appleが反対意見を述べている(【意見2 競争の抑制につながること等から、本省令案の趣旨等に反対】【意見12 在庫端末の特例に関する現行案は、修正すべき】【意見35 検討プロセスへの参加を希望】【意見 43 タブレット向けの電気通信役務は、指定の対象とすべきでない)。全文はPDF形式の公開資料(http://www.soumu.go.jp/main_content/000640360.pdf)で把握できるが、重要だと思った点の二つを抜粋・引用する。

 私たち(Apple)は、通常1年に1度または2度、最新のiPhoneを発表しています。そして、高品質な前の世代の製品により様々な価格帯を提供しています。このアプローチAppleの業績に寄与したばかりでなく、電気通信市場における消費者利益を保護し、競争を促進するという電気通信事業法の目的をより積極的に実現してきたのです。

 残念なことに、総務省令案はその逆のことをしています。同案では日本のお客様から選択肢が奪われ、より競争の少ないより高価格な市場が作り出されてしまいます。提案された内容のままでは、総務省令案はAppleAppleのお客様、さらには私たちのサプライヤーやデベロッパーに対しても差別的な影響を与えかねません。(中略)

 私たちは、「製品の発表からXX月を経過した」製品すべてにおいて割引の提供を許容することが、より公正かつ公平であると考えます。このアプローチによって、Appleの日本のお客様に不自然な形で不利益をもたらすことを避けられます。

 同法は、新規のスマートフォンのみに適用されるべきであり、タブレット端末のような他のセルラー通信接続製品に適用されるべきではありません。セルラー通信接続するというだけで製品を同じグループと見なすことは間違っています。タブレット端末スマートフォンは全く違った体験と機能を提供し、価格帯、ソフトウェアアクセサリーサービスにおいても異なります。ノートパソコンと同様にAppleiPadのようなタブレット製品は、消費者、企業、政府、学校、その他の機関によって、生産性の向上や企業の目的達成といった非常に多岐にわたる目的のために活用されています。競争環境もスマートフォン市場とは非常に異なっています。

 結果的に、Apple側の主張は退けられているが、ほとんど議論なく、通信機能付きタブレット端末が対象に含まれた影響について、後日、改めてまとめたい。プログラミング学習など、PC市場の行方にも関わってくるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)

改正電気通信事業法を受けた新ガイドライン サービス(カテゴリ)ごとの規律の適用時期