世界最大のSNSサイト「Facebook」を運営するマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が、移民制度の改革を目指す政治団体「FWD.us(フォワード・アス)」を設立しました。公式サイトはすでに2万いいね!がされ、公式twitterも3000以上のフォロアー数がいます(4月14日現在)。

ザッカーバーグCEOが4月11日付のワシントン・ポストに寄稿した内容によると、「FWD.us」は「優秀な不法移民には就労ビザの発行条件を緩和する」といった、移民制度の改革に取り組む団体だそうです。

アメリカ在住の人の中には、他国で生まれたもののすぐに親に連れられアメリカに渡り、はからずも不法移民になった人たちがいます。彼らの中に優秀で高度な教育を受けた人がいたとしても、就労ビザの発行条件は厳しく、アメリカを離れてしまう人が多いのです。

実際、理数系大学院生の40%以上が、卒業後市民権を持っていないことからアメリカを追い出されています。移民国家であるアメリカが移民を制限するのは奇妙だ、とザッカーバーグCEOは指摘しています。また、facebookで大成功を収めている彼の曾祖父母が移民だったことも明かしています。

今後、議会に求めていく具体的な内容は以下のようになっています。

・生まれた場所にかかわらず、有能で勤勉な人たちがアメリカで働けるように移民制度を改革する

・科学、工学などの理科系を中心に学校教育の水準を上げる

・科学的研究を支援し、発明の成果は公共の財産にするよう保証する

FWD.us」には、Googleのエリックシュミット会長や、Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOなど、アメリカのIT企業経営者が多く参加表明しています。さらに、民主党共和党や政府、地方自治体にも働きかけるとしており、ザッカーバーグCEOの政治活動進出への一歩となりそうです。

ザッカーバーグCEOは、20世紀の経済は天然資源や機械など有限のものだったが、21世紀の経済は「知識とアイデア」といった誰もが更新・利用できるものだとしています。そのためには優秀な人材確保ができる移民制度改革が必要だと指摘しています。

オバマ政権でも議会に移民制度改革を求めていますが、反対派も根強く、調整は困難と予想されています。「FWD.us」の今後の活動に注目ですね。