写真提供: Gettyimages

西野監督が率いるタイ代表にとって、非常に重要な2つの試合が近づいている。2022ワールドカップアジア予選第2次予選。9月5日に行われるベトナム代表戦と9月10日に行われるインドネシア代表戦だ。 西野監督はW杯2次予選に向けた33人のメンバーを発表した。

今回は現地タイで活動しているライターのオッブ・ディーワジン(フットボール・トライブ・タイ版編集長)そして、ジャンチャンチャオラ(フットボール・トライブ・英語版編集長)に質問形式でタイ代表の未来を語ってもらった。


スパナット・ムエアンタ 写真提供: BuriramUnitedFC

タイ代表に選ばれるべき選手、そして選ばれるべきではなかった選手は?

オッブ:僕はPTTヨーン所属ストライカーのアピワット・ペンプラコンにチャンスを与えるべきだと思ったね。 もちろん選ばれたバンコク・ユナイテッドFC所属ティーラテープ・ウィノータイ、そしてブリーラム・ユナイテッド所属17歳スパナット・ムエアンタは素晴らしい選手だと思うけど。ただ、アピワットはクラブトップストライカーとして起用されている。 ティーラテープはチョンブリーでもっとワイドなポジションで起用されているし、ストライカーとは言い難い選手だ。 スパナットは才能あふれる選手だけど、彼の技術に精神面が追い付いていない。 過度なプレッシャーで、その素晴らしいポテンシャルを削ることにならないといいけど。

ジャン:ポート所属のエリアス・ドラー(スウェーデン出身の長身選手)は選ばれるべきだったね。 このチームに入ってからキープレイヤーになり、タイリーグ屈指のDFの1人だよ。 タイ代表でスタメンの勝ち取るのは難しいかもしれないけど、33人のメンバーに選ばれなかったことはもったいない。 また、タイU-23代表チームメンバー数人が合宿に参加していたけど、ウィサラット・イムラが選ばれなかったのは不思議だね。彼はバンコク・ユナイテッドで驚異的なスピードで力をつけている。


テーラトン・ブンマタン 写真提供:FTタイ

ディフェンスはどんなシステムになる?

オッブ:メンバーを見た限り、西野監督は4バックを採用し、センターバックにはビルドアップの大事な役割を与えると思うよ。 パンサ・ヘンビブーンを除くすべてのDFが、クラブや代表チームでポッセション中の高いパス精度を見せていた。 横浜F・マリノスのテーラトン・ブンマタンは間違いなく左サイドバックとして出場すると思う。右サイドバックは競争だね。 僕はブリーラム・ユナイテッドのナルバディン・ウィーラワットノドムが相応しいと思うな。

ジャンタイリーグは3バックを採用するチームが少なくないから、西野監督がそのシステムを使っても不思議ではないかな。 個人的にはタイとドイツの国籍を持つバンコク・ユナイテッドのマヌエル・ビールプレーが見たい。パスのスキル素晴らしい。僕としてのベストの形は彼がDFの中心になり、彼の両サイドにムアントン・ユナイテッドのアディソーン・プロムラクとブリーラム・ユナイテッドのパンサ・ヘンビブーンが起用されることかな。 ただ、選ばれた33人の中にCBは5人しかいない。3バックというシステムプレーするには、少ない気がする。


ティティパン・プアンチャン写真提供:FTタイ

中盤はバランス取れてる?

オッブ:バランスの良い中盤だと思うよ。ボックス・トゥ・ボックスに強い選手、ゲームメイクできる選手、ボール回しの得意な選手、サイドでの1対1が得意な選手。いろんなタイプの選手がそろっているよ。唯一気になるのは守備的なMF。 ポートでディフェンシブMFに勤めているタナブーン・ケサラットはその役割を果たせるかどうかが心配だね。 若手の攻撃的MFである、ブリーラム・ユナイテッドラットサナコーン・マイカミとムアントン・ユナイテッドパッチャラポル・インタネーはトップチームで通用するかが課題だ。

ジャン西野監督が3バックを採用するなら、その前に相手を潰す守備的なMFが必要だ。 なんだけど、西野監督にはもっと攻撃的な選手に力を入れて欲しい。 3バックの前には大分トリニータ所属のティティパン・プアンチャンかサムットプラーカーン所属のピーラドル・チャムラサミーが理想かな。 経験のある選手と若くエネルギッシュな選手に組み合わせは面白くて良い結果にも繋がると思うけど、中盤の選手は守備にも攻撃にも手を抜いてはいけないからね。


チャナティップ・ソングラシン 写真提供:GettyImages

ストライカーの人数は明らかに少ない。それについてはどう思う?

オッブ:僕はそんなに心配してないかな。 選ばれたメンバーを見ると、西野監督は北海道コンサドーレ札幌所属のチャナティップ・ソングラシンと大分トリニータ所属のティティパン・プアンチャンを中心にペースの速いサッカーを目指している気がする。そうでなければ、前述したTTラヨーン所属ストライカーのアピワット・ペンプラコンが選ばれてたはずだし。 ブリーラム・ユナイテッド所属のスパチャイ・ジェイデッドをはトップ下として起用しない方がいいと思う。ボックスでスペースを見つけるより、外からボックス内に入り込むタイプだからね。 それなら、スパンブリーFCのチャンナナン・ポームバファを使うといい。彼のポストプレーで攻撃のスイッチを入れて、チャナティップとティティパンのクイックコンビで相手を混乱させられると思うよ。

ジャン最初はどうかなぁと思ったよ。 スピード、ポジショニングのセンス、ワンタッチでのフィニッシュ…技術だけを考えるなら、ブリーラム・ユナイテッド所属のスパナット・ムエアンタが起用されるべきだと思う。彼はハマると誰にも止められない強力な武器になる。 だけど、彼が長い試合から隔離され、試合に入れない展開も容易に想像できる。17歳の彼は精神的に耐えることが難しい気がするよ。 その点も踏まえて、ベスト選択肢はスパンブリーFC所属のチャンナナン・ポームバファだと思うよ。


西野朗 写真提供:GettyImages

多数選出された若手選手のことはどう思う?

オッブ:国際大会は時間をかけて戦うことが多い。西野監督はメインチームだけでなく、U-23の指導者でもある。 11月から東南アジア競技大会が始まることを考えると、今のうちに若手選手の実力を試したほうが良いかもね。 若手にとっても大きなチャンスだよ。選ばれたことで西野監督のスタイルを学び、理解することができる。 西野監督が両チームの指導者であることで、若手とベテランをシームレスにつなぐことができるね。

ジャン西野監督が選んだ全ての若手選手は、タイリーグで結果を残して選ばれた。 僕が個人的に楽しみにしているのはサムットプラーカーンの両ウィング、そしてポジション争いを制したムアントン・ユナイテッドDF陣の中心にいるサリンカン・ プロンスパとパッチャラポル・インタネーの活躍だね。 西野監督が両代表の指導者であるということは、若手が大事にされるということでもある。これからのタイ代表の変化を見るのは楽しみだよ。