毎週月~金曜、テレビ東京ほかにて放送中の「青春高校3年C組」(昼5:30-5:55)。今回、同番組の佐久間宣行プロデューサーにインタビューを敢行。先日決定した青春高校3年C組のメジャーデビューや、目前に迫った「KICK OFFライブ」などについて語ってもらった。

【写真を見る】8月28日(木)の「KICK OFFライブ」が最後のステージとなる村西里世

メジャーデビューは「まったくの想定外」!?

――8月16日の放送で、青春高校3年C組のメジャーデビューが決定しましたが、ここまでの番組の歩みを振り返っていかがですか?

僕が番組始めた当初は、どういう番組になるのか全くわかっていなかったですね。秋元康さんが「理想の教室を作ろう」って仰って(始まった番組で)、最初に合格したのがトーマス(大下美瑠)っていう渡辺えりさんみたいなルックスの女の子と、佐藤(諒)っていう126キロの体重の男の子なんで(笑)。

そこから番組がスタートしたので、僕のイメージとしては「あっぱれさんま大先生」(1988~2003年、フジテレビ系)とか、そういう番組になるのかなと思って始まった感じでした。まさか1年半後にユニバーサルミュージックさんから(生徒たちが)メジャーデビューしている番組を録っているとは思っていなかったので(笑)、当初の想定とは全然違いますね。

ただ、秋元さんが「部活を作ろう」と仰って、アイドル部が出来て、ほかにもいろんな部活に曲を下ろしていただいた時に、本当に曲が素晴らしくて。僕はこういう番組は始めてだったんですけど、その曲を知ってほしいという気持ちが僕の中でもすごく湧きました。

もうすでにたくさんの素晴らしい曲があるんですけど、今回メジャーデビューをきっかけに、ここからいろんな人に伝わっていくのかと思うと、とてもうれしいですね。

■ 「番組が関係しなくても、生徒たちの人生がうまく行ってくれたら」

――3年C組メンバーの皆さんは、最近はテレビ東京の番組のみならず、他局のドラマやバラエティーなどでも活躍されていますが、現在の状況をどのように捉えていますか?

正直に言って、何か親のひいき目みたいになっちゃうと思うんですけど、今3期生まで40人ぐらいの生徒が集まって、(その中に)すごく才能があったり、かわいい子がいるな~と思っていて。

「青春高校―」は他の番組とか他のアイドルグループと違って、もともと芸能界を志望していなかったり、引きこもりだったり、自分の人生が上手く行っていなかったりする子が多いんですけど、でもその子たちが自信を持ったら、もっといろんなところで活躍できそうな才能がたくさんいると思っているんです。

なので、ぜひいろんな人に彼らを知っていただいて面白がってもらって、どんどん(番組の)外で使ってほしいなって思っていますね。「青春高校―」が関係なくても、彼らの人生が上手く行ってくれたらいいなと思っています。

■ “夢”を意識し始めた頓知気さきなは「『変わったな』と思いました」

――4月に始まった新宿アルタでの劇場公演、その後のテレビ東京でのスタジオライブを間近でご覧になっていて、どのようなことを感じていましたか?

やっぱり成長は感じますね。10代ってあんなに短期間で伸びるんですね。何もできなかった子たちが、「コントの才能がこんなにあるんだ」とか「歌ったり笑ったりするとこんなに輝くんだ」とかっていうのは思っていました。あと、「コイツは出来るだろうな」と思っていた子じゃないメンバーが輝いたりするのが面白かったですね。

――佐久間さんからご覧になって、番組を通して「一番成長した」、もしくは「変わった」と思う生徒はどなたでしょうか?

「成長した」っていう意味だと変ですけど、アイドル部の「青春のスピード」という曲でセンターをやっている持田(優奈)ですら、もともとはただ何となく入ってきた、夢も何もないようなイマドキの女の子でしたから。

(当初は)笑っているのもあまり見たことがなかったですけど(笑)、それが今はもうケラケラ笑ってますし、舞台上で歌っているとすごく輝いてますし。「へぇ~」って思いますよね。

あとは、頓知気(さきな)もそうですね。頓知気は、戦慄かなのっていう昔少年院に入っていたアイドルの妹なんですけど、僕が(審査員をやっていた)「ミスiD」(の選考)で初めて会った時は、「叶わないからあまり夢を持たないようにしているんです」って言ってたんですよ。

「夢は結婚して平穏に過ごすことです」みたいな子だったんですけど、この前(番組の企画で)林間学校をやった時には、本人はそれまで学校の行事も今までほとんど行ったことがなかったみたいで、泣きながら「みんなと喋っているのが楽しくて、夢を持っちゃいそうで怖い」って言っていて。

あの子が「私も夢を持ったりしていいんですかね?」って言うようになったのを見ると、「おお、変わったな」と思いましたね。

――アイドル部の皆さんは、7月の「テレ東音楽祭」や「TOKYO IDOL FESTIVAL」(TIF)への出演など、番組外での活躍を通じてファンを獲得しているようにも思いますが、彼女たちの活躍が番組そのものにどういった影響、相乗効果をもたらしていますか?

テレビ東京の夕方5時半という時間帯は、ティーン(10代)がそんなに見ていないんですよ。今のご時世テレビ全体がそうなので、アイドルファンとかファミリー層はまだ見ているんですけど、「アイドルが好きなティーン」と触れ合える機会がこれまで無かったんです。

そうした中でTIFとかに行くと、(お客さんの反応が)「え、こんなにかわいいんですか?」みたいな感じになることが多いので、彼女たちの華やかさというか、そういうものが新しいファンを呼んでくれているなと思いますね。

■ 「アイドル部の戦っていく姿に胸が熱くなる」

――TIFでは佐久間さんもトークイベントに出演されていましたが、“現場”で感じた熱というのは、新宿アルタでの「放課後ライブ」や昨年の「ウィンターライブ」などとは違いましたか?

そうですね。彼らの物語をちゃんと知ってくれている、いわゆる“エモい”ものを好きな人が「青春高校―」を今まで支えてきてくださって、それはとてもありがたいなと思っているんですけど、世の中に出ていくということは、それを知らないで新規で見る人たちを前に、実力や華やかさ、ルックスといった部分でも戦っていかなきゃいけないので。

彼女たちはもともと弱い子たちだったのでいまだに心配は心配なんですけど、それでもこの番組と関わって、自分の人生がちょっと変わってポジティブになって、「夢を叶えてみたい」と思うようにもなったので、心配ですけど戦っていく姿を後ろから見ていて胸が熱くなるというか、感動しますね。

――アイドル部のMV撮影の現場には行かれましたか? その際のエピソード、裏話などあればお聞かせください。

撮影の現場にはちょっと行けなかったんですけど、(MVを手がけた)松本壮史監督は僕が指名してお願いさせていただきました。現場に行ったスタッフからすると、生徒たちは「とにかくめちゃくちゃ仲が良かった」って言ってましたよ(笑)。

「青春のスピード」のMVは本当に素晴らしいなと思いましたね。今時あまりない真っすぐな、ストーリー仕立てのMVで、これがアイドル部の初めてのMVで良かったなと思います。何回見てもすごく良いなと思いますね。

■ 芸人たちも生徒の成長に夢中!?

――各曜日の担任として出演されている芸人の皆さんについてもお伺いしたいのですが、放送外で生徒たちとどのようなコミュニケーションを取られていますか? また、生徒たちをどのようにご覧になっているのでしょうか。

それは人によってまちまちですけど、三四郎は本当の担任みたいな感じです。何だったら生徒の悩みに乗ったりもしますし。相田(周二)なんて自分が面倒を見ていたダンス&ボーカル部の子たちを連れて焼肉に行ってました。

日村(勇紀)さんも生徒全員にサプライズで韓国料理店を貸し切ってごちそうしてくれたり、柴田(英嗣)さんも今度の豊洲PITのライブでは、(本来担任としているだけでいいのに)「生徒とコントをやりたい」って言って台本の打ち合わせを始めたり、そうやってのめり込んでくれている方もいます。

おぎやはぎの小木(博明)さんは、番組を全部の放送回見てるんですよ。多分娘さんもファンなんだと思うんですけど、小木さん自身があの子たちのことを好きになってくれて、面倒も見てくれていて。あんなに優しいおぎやはぎを見たのは初めてです(笑)。

千鳥は隔週なので2週に1回しか来ないんですけど、そのわりにノブさんは「アイツ元気ないけど大丈夫ですか?」とか、すごく生徒のことを心配してくれています。

メイプル超合金は、カズレーザーは基本的に(生徒とは)ちょっと距離が離れていて、その分番組が終わったら「あの子もうちょっと活かせましたかね?」とか、裏で反省しているタイプで。あと、男子アイドル部のことをすごく気にかけていますね。(安藤)なつは生徒とめちゃくちゃ仲いいと思います。そんな中で、小峠(英二)は本当に「先生」って感じでそこにいますね(笑)。

■ 「AKB48の劇場公演初日のようなメモリアルなライブに」

――8月28日(水)に開催される豊洲PITでのライブが迫っていますが、ライブの見どころや、佐久間さんご自身が期待されていることをお聞かせください。

まずは、秋元さんが書いてくださった全ての部活の曲を聞いていただきたいですね。「え、こんなに曲書いてくださるんですか?」ってくらいなんですけど、その中にあるサプライズがあって、これが素晴らしいんですよ。

それと、昔よりは力量が上がっている生徒たちの必死のパフォーマンスを見てもらいたいなと思います。アンタッチャブルの柴田さんが生徒とコントをやるのも楽しみですね。

あと、7年間引きこもりで、この番組に入ってちょっとずつ人間が変わってきた村西(里世)っていう女の子がいて、その子が「番組を通じて少し自分を変えられて、年齢的にもことしで22歳になるので、自分の夢を目指してがんばりたい」と「青春高校」を卒業するんですよ。

これが村西の出る最後のコンサートになるので、みんなで盛大に送り出してあげたいですね。まあ、みんな泣きそうだなって思ってますけど(笑)、その瞬間を見てほしいですね。

このライブが(「サマーライブ」という名称から)「青春高校3年C組デビューKICK OFFライブ」に変わって、AKB48には「最初の劇場公演に7人しかお客さんがいなかった」ってエピソードもありますけど、今回はそういうメモリアルなライブになると思います。

僕はこの中に芸能界を支えていくスターになり得る子が何人かいるような気がしていて。その子たちの「あの瞬間を見れたよ」っていうようなライブになるんじゃないかなと思っていますね。後々「え、デビューライブ見たの?」と伝説になるような。

生徒たちがこの先芸能界でやっていくかはわからないし、むしろ芸能界に夢を抱いて出ているわけじゃない子の方が多いので。でもこの番組は、普通に大学生になりたい子とか、役者を目指していた子とか、とにかく引きこもりで友達がほしかった子とか、そういう子たちがごっちゃになっていることが面白いと思っているので。

毎回が一期一会なんですよね。芸能界を目指していない子は、例えば「受験があるから」といった理由で来週番組を辞めちゃうかもしれないし。なので、彼らの成長を見ていってほしいというのと、10代の青春真っ只中の一期一会でしか見られない瞬間を、ぜひコンサートで目撃してほしいなと思います。(ザテレビジョン

「青春高校3年C組」の佐久間宣行プロデューサーが“3Cポーズ”!