近所同士のトラブルは日本のみならず世界中で発生しているが、このほどアメリカで隣家の飼い犬を毒殺しようとした女が逮捕された。どんな理由があって犬を殺害するまでの犯罪に手を染めることになったのだろうか。『New York Post』『KKTV 11 News』などが伝えている。

米コロラド州コロラドスプリングスのある家族から今年4月上旬、警察に相談があった。その家族は“リグレー”という名の犬を飼っているが「隣人がリグレーを毒殺しようとしている」と主張し、裏庭に設置している監視カメラの映像を警察官に見せた。

そこには隣の家に住むマーガレットウォーカー(Margaret Werker、73)がフェンスの向こう側から裏庭にいるリグレーに向けて、肉の塊のようなものを投げて与えようとする姿があった。幸いにも肉はフェンスの上の部分に引っかかり、リグレーは毒入り肉を食べずに済んで命拾いした。

この動画が証拠となりマーガレット5月4日に逮捕され、動物に対する悪質な虐待行為による罪で起訴された。その後マーガレットは罪を認め、裁判所は有罪を認定したものの、刑の宣告を一定期間保留し保護観察下に置く宣告猶予の処分とし、動物愛護協会へ250ドル(約26,600円)の寄付を命じた。

今回の件について、警察庁次長のリンジー・ヴィグナ氏(Lindsey Vigna)は「その地域では、吠える犬に対して若干の苦情がありました。しかしそれはどこの犬かまでは特定することができませんでした。私達はそれが要因となって今回の問題が生じたのだと思っています」と話している。

のちの警察の調べでは、マーガレットが隣人の庭に投げ入れようとした肉は有毒である不凍液に浸した鶏肉だということが分かった。不凍液は自動車のエンジン冷却水の凍結を防ぐためなどに使用されるが、強い毒性があることでも知られている。非営利団体「The Humane Society(動物愛護協会)」では、今回の件で次のように声明を出した。

「(動物の)毒殺による事件はわずかな証拠しか残っていないことが多く、容疑者と犯罪を関連付けることが難しいケースが少なくありません。しかしこの件に関しては、被害者は確固たる証拠を持っていました。犯行の様子が収められた監視カメラの映像、それに鶏肉からは有毒物質の陽性反応があったのです。」

今回、マーガレットの投げた毒入りの肉が運よくフェンスに引っかかったことでリグレーは命拾いしたが、もしマーガレットが逮捕に至らなかった場合、リグレーは確実に毒入り肉を口にしていたことだろう。

画像は『New York Post 2019年7月22日付「Woman wearing cat shirt arrested for trying to poison neighbor’s dog」(Colorado Springs Police Department)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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