NHK「よるドラ」「だから私は推しました」(NHK・土曜23時30分~)第4話。

【画像】一目でわかる相関図

 推しているアイドルが、はじめての大舞台に挑むという、オタク的には「応援してきてよかった!」という幸せな瞬間が訪れる。しかし、そこに至るためには、えげつない現実とも向き合わなければならなかった。

●エグイ投票システムアイドルのギャラ問題

 遠藤愛(桜井ユキ)が神推ししている地下アイドル・ハナ(白石聖)。彼女の所属するグループサニーサイドアップ」が、「TOKYO IDOL FESTIVAL」っぽいアイドルフェス「IDOL SUMMER FESTIVAL」のステージバトルロワイヤルに挑戦することになる。

 ただ、すんなりとフェスに出演できるわけではなく、投票イベントで上位に入賞したグループだけが出演権を獲得できるというシステム

 フェスへの出演権を賭けた投票企画はよくあるが、アニサマの投票システムはかなりエグイ。1500円のフェス公式グッズを購入するたびに投票券が1枚手に入るという、露骨な札束での殴り合いなのだ。

 とはいえ、グループにとって大きなチャンスなのも事実! そんな時、ライブ中にハナが倒れてしまう。

 超・太客&厄介オタだった瓜田勝(笠原秀幸)がいなくなったことでハナの収入は激減。夜は弁当工場、朝はコンビニバイトを掛け持ちしなければ生活出来なくなっていたのだ。月に60万円は使っていたという瓜田ほどではないものの、愛も月15万円近くは貢いでいるというのに……。

 リア充を装っていたOLが地下アイドルにドハマリし、のめり込むほどに楽しくなるアイドル現場の雰囲気がリアルに描かれてきた本作。ここに来て、札束での殴り合い的な投票や、ファンの貢いだ額に見合わないアイドルのギャラ問題など、アイドル業界の暗黒面も掘り下げてきた。

 「この金、ちゃんとあの子に渡ってるのか!?」と疑問に思ったからといって、フェスの運営や、所属事務所にブチ切れたところで、損をするのは自分の推し。推しを人質に取られている状態のオタクは、黙って金を貢ぎ続けるしかないのだ。

 サニサイのトップオタ・小豆沢大夢(細田善彦)の言う、

 「アイドルにオレたちがプレゼントできる唯一のブレイクスルーは、売れる手伝いをする。これだけなんだよ」

 という言葉に全力でうなずいてしまう。

 売れさえすれば、アイドルファンも、全員幸せになれると信じたいところだが……。

アイドルに貢ぐため、エロいバイト

 えげつない投票システムに反感を抱きつつも、

 「我が子をまず、ごはんを食べられる状態にまで持っていく。これぞお母さん!」

 と考えた愛は、ハナに現金を渡しフェスに向けての練習に専念させ、本業以外に無茶なバイトをして、投票券を買いまくる決意をする。

 そのバイトとは、いわゆるエロ配信。いくら生活に困っていそうだからといって、アイドルに現金を渡すのもどうかと思うし、貢ぐためにエロいバイトをしてしまうというのも一線を越えている。

 愛の場合、同性のアイドルへの貢ぎだし、「つながり」などの下心なしで、思いっきり純粋な愛情を注いでいるだけだとは思うのだが、「沼」に腰までドップリと浸かってしまっている状態だ。

 金で推しの夢(アイサマに出演)をかなえられるのだとしたら、きついバイトもいとわず! という気持ちはものすごく分かるものの、それだけに心配!

 救いなのは、現金を受け取ったハナが、愛の思いに応えるため、ダンスレッスンに本腰を入れてくれたこと。全てを注ぎ込んだ推しが、裏では男とつながっていて、突然の妊娠&結婚発表とかあり得る世界だけに……。

 「空いている時間でいいので、私のダンス見てもらえませんか? 私、アイサマで、今までで一番のパフォーマンスしたいんです!」

 純粋な愛情に、真っ直ぐに応えようとしているハナは尊すぎる!

オタクの本懐! だが……

 愛の鬼投票の甲斐もあって、サニーサイドアップは念願のアイサマに出演。

 愛は、客席最前ではじけまくる……かと思いきや、一歩引いた場所で、ステージに登場したハナを見て号泣。

 これまでのおどおどとしたステージングから打って変わったハナのあか抜けたパフォーマンスに、見ているオレも泣きっぱなし。愛の思いにちゃんと応えてくれたんだねッ……!

 普段は愛を「オバハン」と呼んでからかっている小豆沢が、泣いている愛をリフト。

 「オバハン、あんがとな。アイツらにこんなモン見せてくれて。すっごい励みになると思う」

 ハナが見たいと言っていた「光(サイリウム)の海」を、ハナとふたりで見ている……まさにオタクの本懐! エロ配信したことも後悔してない!

 「サニサイ、サイコー!」

 沼にズブズブとハマッて、引き返せないところまで行ってしまったオタクの感無量な瞬間を的確に表現したシーンに胸を打たれる。

 ……が、毎度お馴染みの取り調べシーンで、地獄に突き落とす一言。

 「はじまったみたいですよ、さっき。サニーサイドアップの解散ライブ

 解散!?

 取り調べ中の愛が、さんざん時間を気にしていたのはコレか。

 「これからいよいよ売れるぞ! ……というタイミングでなんでメンバー脱退!?」とか、「なんで解散!?」なんて、あるあるではあるが、……なんちゅう展開をさせてくれるんだ!

●見ていてつらいけど目が離せない!

 サニサイの解散も気になるが、それ以外にもいくつか気になるシーンがあった。

 ハナがステージで倒れた後、病院からコッソリとやっていると言っていた配信だが、明らかに病室とは思えない。

 「ピンポーン」という音を「ナースステーションの音かな?」とごまかしてはいたが、どう考えても自宅のチャイムだろう。

 瓜田が自宅を突き止めてチャイムを連打してるのか? とも思うが、どうして病院からだなんて嘘をついていたのか?

 もうひとつは、トップオタの小豆沢が、チェキ会でセンターの原花梨(松田るか)と話している時、変なアイコンタクトを取っていたこと。

 このふたりは以前、直接電話連絡を取っていたが、どういう関係なのか?(実は付き合ってたりする!?)

 オタ活のいい面も悪い面も、本当にリアルにえぐってくる本作。見ていてつらすぎるが、目が離せない。

ねとらぼGirlSide/北村ヂン

「だから私は推しました」4話を振り返り。事件現場の目撃者で、愛の面通しをするという役どころが安藤サクラ。二度見した