2017年に第一子を授かり、パパとなった、お笑いトリオロバート山本博さん。息子くんとの生活の中で感じた「?」や「!」をマンガに描き、昨年7月からインスタグラムで発信。

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そのイラストをもとに、山本さんがパパ芸人ならではの気づきを綴る本連載。第41回は、サイパンでの結婚式でおきたハプニングについて。結婚4周年目前のいまだから話せる、結婚式でのできごとは?

■頑張るお義父さんの姿に目頭が熱くなる
結婚式はお義父さんの好きなサイパンに決めました。お正月休みを利用しての結婚式プラン。

サイパン入りして軽く打ち合わせして、翌日が結婚式。当日はお義父さんが朝9時に僕らの部屋へ来て、バージンロードを歩く練習をする予定になっていました。

でも、緊張していたのか、お義父さんが間違えて朝8時に来ちゃったんです。「早い、早い」って笑いながら、一緒にプランナーさんを待っていたんですけど、コーヒーを飲みながらお義父さんとしゃべっているうちに、僕もだんだん緊張してきたんですよね。9時ちょうどにプランナーさんがいらっしゃって、奥さんとお義父さんが腕を組んで、チャペルに入場するところから練習が始まりました。

プランナーさんが「左、右、左」って声を掛けてくれるんですけど……お義父さんがなぜか毎回、出す足を間違えるんです。これがコントなら「お義父さん、しっかりしてください!」なんて言うところですが、お義父さんはいたって真剣。娘の晴れ舞台のために頑張る姿を見ているうちに、涙が出そうになりました。

やばい、これ泣いちゃう」と思って、必死にこらえました。式の時間を迎えて、チャペルの中に入ると、現地サイパンの聖歌隊の生歌が聴こえてきました。「これ、俺たち二人のために歌ってくれてるんだ」って、自分でも嘘だろと思うくらい、いちいち感動しちゃって……。

「コントで散々結婚式の設定やってきたんだから大丈夫」って平静を保とうとしたんですけど、泣かないようにするので精一杯。奥さんがお義父さんと一緒にバージンロードを歩いてきましたが、めっちゃ強ばった笑顔を浮かべたヤバい奴がバージンロードの先で待っているのは、頼りない男だったと思います(笑)。

■「これマジのやつだ…」涙をこらえた結婚式本番
神父さんの前に立って「健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも……。」っていうお決まりの文句を聞いているときも「これ、俺たちのために言ってくれてるんだ」って、ただただ感動していました。

コントでやるのと違って「どんな状況でも、相手を愛し、敬い、協力し合うことを誓いますか?」っていう神父さんの言葉が、ズバッと心に入ってくるんです。

結婚を決めたときに「仕事がなくなってお金がなくなったときは、私が働くからね」って奥さんが言ってくれたことを思い出したりして……。

コントや芝居などで何度も聞いたセリフなのに、そんな大事なことを言ってたんだ、これを神様の前で誓っているんだ、って初めて感じました。退場のときに、ちらっと参列席を見たら、泣いているお義父さんの姿が見えました。

つられて泣いちゃうから、もう周りの人の顔を見られなくなっちゃって。チャペルの入口だけをずっと見ていましたね。チャペルの入口では、僕らが退場するまで、知らないカップルがずっと拍手をしてくれていました。うちのおふくろが、後でそのカップルに話を聞いたら「1年前のお正月に、私たちもここで式を挙げたんです。1年ぶりに見に来たら、ちょうど式を挙げられていたので祝福しました」って仰っていたそうです。

その話を聞いて、またウルッときちゃったのは、言うまでもありません(笑)。
(mamagirl

掲載:M-ON! Press