2019年8月23日に放送されたバラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』(NHK)の内容に、視聴者から「もうやめてくれ!」「つらすぎる」と動揺が広まっています。

視聴者を驚かせた放送内容とは…

同日の放送は、『ロストサマー!二度と帰れないあの夏の日はなにしてたっけ!?スペシャル』と銘打った拡大版。

さまざまな「身近な疑問」の中でも特に視聴者を驚かせたのは、番組冒頭で紹介されたこの疑問でした。

なんで鳥は卵を温めるの?

卵の上に乗る親鳥の姿は、理科の教科書などでよく目にします。

この質問に対し、ゲストの1人である女優の草刈民代さんは「卵を温めることによって、(卵の中のヒナが)成長していくから」と回答。

おそらく、同様の質問を受けた人の多くが草刈りさんと同じ答えを口にすることでしょう。

しかし、明かされた正解は…。

体が冷えて気持ちがいいから。

チコちゃんに叱られる! ーより引用

番組ゲストは誰も納得できていなかった、この回答。日本動物科学研究所・所長の今泉忠さんの解説は以下の通りです。

なぜ鳥が卵を温めるかというと、実は、自分の体が冷えて気持ちいいからなんです。

チコちゃんに叱られる! ーより引用

『孵卵器(ふらんき)』という卵を保温しておく装置があるように、鳥の卵は温めないと成長できないことは、誰もが理解していることでしょう。

一方の親鳥は、温めることで卵の中のヒナが成長していくことを知っているわけではないのだといいます。

そもそも、鳥は羽毛に体がおおわれているため、体温が卵に伝わりにくくなっているのです。

しかし、繁殖期になると胸からお腹にかけての羽毛が自然に抜けおち、卵を温めるための『抱卵斑(ほうらんはん)』があらわれます。

この抱卵斑を直接卵にあてることで、親鳥の体温が直に伝わり、卵の温度も上昇するというわけです。

さらに、今泉さんの解説は続きます。

実は親鳥自身は、自分の子どもを早く育てるために温めているわけではないと。

皮膚(抱卵班の部分)に卵の冷たいのが当たると、気持ちいい〜と思っているだけですね。

チコちゃんに叱られる! ーより引用

つまり親鳥は、卵を温めるように仕向けられている…というわけです。

なお、極寒の地に生息しているペンギンも同様。羽毛の保温性が高いためペンギンの体温は保たれており、抱卵班を卵にあててお腹が冷えると「気持ちいい」と感じるのだそうです。

松重豊「大丈夫?」

「あくまでも動物行動学に基づいた見解の1つ」と補足があったものの、決して「違う」ともいいきれない解説に、ゲストからも困惑の声が。

特に、ゲストの1人である松重豊さんは「(放送は)夏休み中だよね?ちびっ子がいっぱい見てるよ」と、子どもの視聴者への影響を心配していたほどです。

また、ネット上でも大きな反響を呼び、さまざまな声が寄せられていました。

・ヒナに対する愛情じゃないんかい!

・できれば知りたくなかった。

・まぁ愛を信じているのは人間だけだし、あながち間違いとはいいきれない。

親鳥は、ヒナを思って卵を温めているのだと思っていた人は多いはず。しかし、まさかそれが全否定されてしまうとは…!世の中には、知らない事実がたくさんあるものですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
チコちゃんに叱られる!
※写真はイメージ