病室(Chinnapong/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

健康な息子を重い病気で苦しむ悲劇の子に見せかけ、必死に世話をする献身的な母親を演じ続けていた女。その女に対する判決が、今年の秋にも下されるという。

■母親の狂気

米テキサス州で暮らすある女(35)は、現在10歳の息子が8歳になるまで「この子は酷い病気なのです」と主張し、病院に通わせ続けた。そんな生活が始まったのは、少年がわずか生後11日の時。

それから少年を病院に連れて行った回数は323回に及び、大きくなった息子につき「筋ジストロフィーなんです」「肺がんを患っていて…」「移植手術が必要な状態になっている」などと説明しては車いすに乗せ移動していたほか、問題なく呼吸できていた息子に酸素吸入までさせていたことも判明している。

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■命にかかわる状態に陥ったことも…

またこの女は「息子の体内に栄養を送らねば!」と主張し栄養チューブを使用させ、それが原因で少年は感染症を起こし、二度も命が危険な状態に陥った。

そのような生活を続けるなか、元気な体で生まれたにもかかわらず、少年は実に13回も大きな手術を受けるはめになったことも判明している。

■「息子は病気じゃない!」と主張した父

離れて暮らしていた少年の父親は「息子は病気ではない」と主張し、「親権を自分のものにしたい」と何年も家庭裁判所で直訴するも認められることはなかった。

しかし2015年になりようやく医療関係者が「これは虐待ではないか」と介入し、女は逮捕。2017年から少年は父親の元で暮らし、翌年には「元気に暮らしている」と伝えられた。

■代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性も…

その女がこのほど父親の主張が事実であるとして「有罪です」と認め大きく報じられた。

少年の父親は「事実を認めたことは嬉しいが、邪悪な母親などいないという考えは誤りだ」ともコメント。この母親については身近な人物を病気などにみせかけ同情を引き満足しようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性もある」と伝えられている。

この女の判決は今年秋に下される予定で、20年の実刑判決が下される可能性もあるという。

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(文/しらべぇ編集部・マローン 小原

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