法廷・被告(Chris RyanOJO images/Getty Images Plus/写真はイメージです)

その暴力癖は生来のもので、矯正のしようもないものなのか。狂暴かつ身勝手すぎる被告人の男が、裁判でとんだ暴挙に出たもようだ。

■刑務所で刑務官に噛みつく

米国アリゾナ州マリコパ郡の上級裁判所の法廷で、被告人が弁護人に暴力をふるうという許しがたい行為を働いた。米国の多くのメディアがその様子を動画で紹介しており、「こんな男を社会に戻さないで」という声が続出している。

被告人は黒人の男で、そもそも受刑者であった。身勝手な性格で刑務所での態度は悪く、トラブルメーカーとして鳴らし、矯正教育を担当する刑務官に噛みついたことから傷害容疑で追訴となり、また新たな裁きを受ける必要があったという。

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■法廷で弁護人の顔面をパンチ

法廷では判事の言葉にいちいちピリピリと反応し、弁護人にたびたび不満を言う様子が見て取れる被告人。一方、彼とはやや距離をとって隣に座る公選弁護人は、発言も少なめで、厳しい表情で書類に目を通すばかりだった。

被告人は自分の言葉にあまり関心を示してくれない弁護人に徐々に苛立ちを募らせ、ある瞬間に弁護人の顔面をパンチ。弁護人は痛みと鼻血で顔を手で押さえた。

法廷警備員に身柄を取り押さえられ、被告人はただちに退廷となったが、その身勝手さや短気さに判事はただ呆れかえっていたという。

■女性の公選弁護人に鉄拳

アメリカの法廷では、「負け」を意識した途端に被告人が弁護人を口汚く罵倒するということが頻繁に起きている。また稀にではあるが、怒りに任せて弁護人を殴りつけるという許しがたい行為は過去にも起きていた。

2017年6月29日ニュージャージー州マーサー郡刑事裁判所の法廷で、殺人罪に問われていた35歳の男の被告人が、女性の公選弁護人の顔面を拳で殴った。

すべての審理が終了して陪審員らが退廷した直後のことで、自分が劣勢に立たされているのは弁護人の力不足のせいだとし、「無能な弁護士だ」と責めたという。

■怒りを抑えられない狂暴性

被告人によるこうした暴力行為、罵倒や卑語を含んだ発言などは、陪審員や裁判官の心証を確実に悪くさせる。しかし、それを理解していてもなお怒りや苛立ちを抑えられず、爆発させてしまう者がいる。

それはまるで、自分は投獄されるにふさわしい危険な性格の持ち主だと自ら立証しているような愚かさだ。刑務所で刑務官に噛みつき、法廷で弁護人を殴り、追訴に次ぐ追訴となるこの男に新たな公選弁護人はいつ付くのだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

法廷で被告人が弁護人の顔面をパンチ 「オレの話、聞いてんのかよ!」