現在起こっている、ブラジルのアマゾンでの大規模火災。8月22日にタレントのブルゾンちえみさんが、そして23日にはタレントのローラさんがそれぞれ、ツイッターやインスタグラムで写真とともに無関心への警鐘を鳴らしたことが話題となっています。
3週間経ってもアマゾン雨林の火災がおさまらない。
地球全体の約20%の酸素がここから出されている。
直接的に、今すぐ私たちに影響はないかもしれないが、
間接的に、必ず、地球全体に、影響を及ぼす災害だ。 pic.twitter.com/sAWXWExjJn— Buruzon Chiemi (@buruzon333) August 21, 2019
ブルゾンさんは、『3週間経ってもアマゾン雨林の火災がおさまらない。地球全体の約20%の酸素がここから出されている。直接的に、今すぐ私たちに影響はないかもしれないが、間接的に、必ず、地球全体に、影響を及ぼす災害だ』と力強く言及。
同じくローラさんも、『今ブラジルでは、大規模な山火事が3週間続いています。なのにこの件はほとんどのメディアが取り上げていません。アマゾンはこれまでに全体の約80パーセント近くの森林が人の手によって消されています。アマゾンの森林は地球の20パーセントの酸素を生み10パーセント近くの生き物が生息しています』と、コメントしています。
その影響力はすさまじく、ローラさんの投稿は33万以上の「いいね!」がつき、「こういう情報を伝えて下さり、ありがとうございます! 特に、3枚目の写真は、悲痛さがとても伝わって来ました」など、ローラさんが同時にポストした動物の写真へも関心が寄せられていました。
それがこちらです。
2人がポストしたのは同じ写真で、22日には米俳優のレオナルド・ディカプリオがインスタグラムでポストし、375万以上の「いいね!」を集めた画像であると同時に、仏マクロン大統領がポストしたものでした。
しかしこの写真について、『マクロン大統領がアマゾン火災の危機を訴えましたが、投稿したのは今回の火災でなく10年以上前の古い写真だったようです。関係無い写真で危機感を煽ったフェイクニュースと批判されかねません。スタッフの誰が投稿したにせよ、注意不足でしょう』と注意喚起するツイートが投稿されたのです。
マクロン大統領がアマゾン火災の危機を訴えましたが、投稿したのは今回の火災でなく10年以上前の古い写真だったようです。
関係無い写真で危機感を煽ったフェイクニュースと批判されかねません。スタッフの誰が投稿したにせよ、注意不足でしょう。https://t.co/gg7LKfSMZJ
— 白石透冴(日本経済新聞)Togo SHIRAISHI (@TogoShiraishi) August 23, 2019
フランスのwebサイト「リベラシオン」によると、マクロン大統領がポストしたのは【16年前に亡くなった写真家が撮影した写真】とし、2012年にはネット上で確認されたものだとしています。
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同じくAFP通信も8月23日に【検証:アマゾン火災、無関係の写真がネットの怒りあおる】と報じ、無関係の写真のひとつとして、【シェア件数が特に多かった写真の一つに、息絶えたように見える赤ちゃんを抱くサルの写真がある。だが、この写真は2017年にインド人のカメラマン、アビナッシュ・ロディー(Avinash Lodhi)氏がジャバルプル(Jabalpur)で撮影したもの】と解説。ローラさんが投稿した猿の写真と一致することがわかります。
APF通信は他にも古い写真をあげて撮影時期などを解説。これにはツイッターで「アマゾンの森林火災、どれが本物でどれがデマかもわからん」「アマゾンの火災が気掛かりですが、デマの映像なども多いみたいなので引用しにくい」と困惑するユーザーがちらほら。
現在、亜熱帯地域アマゾンで大規模な森林火災が起きているのを皆さんはご存知ですか?この火災は計り知れないスピードで進んでいます。人ごとではありません。私達の地球が大変なことになっています。知り合いから伝えていきましょう。やれる事は何かしらあるはずです。#PrayforAmazonas pic.twitter.com/vIwUysGesv
— タイシロウ国際協力 in Bolivia (@IK11rrrnore) August 22, 2019
彼の元には「情報ありがとうございます。大変なことになっていますね。ただ(中略)今回の火災と関係のないものがあるようです。誰にでも関わることで正しいことを伝えるツイートですからこういうことも一緒に広まって欲しいと思います」とのコメントが寄せられ、それに対して彼は「SNSをやる以上そこも気をつけないといけないところですね。情報共有ありがとうございます」とレスポンスしていますが、AFPの記事と照らし合わせると、まさに関係のない写真だったのです。
情報ありがとうございます。大変な事になっていますね。ただこの衝撃的な画像、https://t.co/6G4Id2jZKT
の様に今回の火災と関係のないものがある様です。誰にでも関わる事で正しい事を伝えるツイートですからこういう事も一緒に広まって欲しいと思います。— 𓆸ぶにすけ (@bunisuke) August 22, 2019
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同様に、「アマゾンの80%は燃えていません! 火災の発生件数が前年比80%増です。(中略)発信はいい事。だけど、フェイクニュースで人を煽るのは良くない!」とのツイートについた写真は、AFPの記事に“古い写真”として指摘があったものでした。
アマゾンの80%は燃えていません!火災の発生件数が前年比80%増です。本当に大変な事だし、声を上げて原因をハッキリさせ、正しいリスクの算出や防止策を練る必要はあります。発信はいい事。だけど、フェイクニュースで人を煽るのは良くない!#PrayforAmazonia pic.twitter.com/FNiWmWDZhW
— 清水 崇宏|AGE MEDIA (@takavich__) August 22, 2019
「有名人が発信すると無条件に信じてしまうのが人の性ですが、ローラさんの場合、おそらく関係者のほとんどは“これ、本当かな?”と懐疑的に見ています。彼女は昔からセレブの発信を条件反射的に鵜呑みにする癖があり、中身を精査しないところがあります。以前、雑誌撮影時に『ローラはオーガニックのものしか受け付けない』とのお達しがあったことで、スタッフが有機栽培のケータリングを探し奔走。しかしのちに事務所関係者から『実際にオーガニックじゃなくても、それっぽければなんでも大丈夫』と言われた……という話もありますしね」(週刊誌記者)
アマゾンで森林火災が起こっていることは事実ですが、特に影響力のある有名人は、明確なソースが判明してから拡散を考えていただくか、『※写真はイメージです』の一文を添えてほしいものです。(文◎じゅる王)
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