kouno 「デモをするより、議員事務所に行ったほうがよい」――反原発・反核燃料サイクル派として知られる自民党河野太郎衆議院議員は、2011年4月26日に行われた自由報道協会主催の記者会見で、脱原発に向けて国民ができることこととして、「議員に直接意見を届けること」だと語った。なお、この模様はニコニコ動画でも中継された。

 河野議員は、「日本の原子力というのは、全体が利権になっている」と語り、電力会社と各界との蜜月関係を指摘する。「官」にとっては天下り先になるため、電力会社の地域独占と送電・発電の一体化を保護し、研究開発費をもらっている「学」は卒業生の就職先にもなるので喧嘩はしない。「メディア」も広告宣伝費をたくさん受け取っているので、原子力政策の批判はできない。もちろん「政」も例外ではなく、自民党には電力会社から多額の献金があり、民主党は電力会社の労働組合に集票活動を手伝ってもらっている。こうして、「みんなが黙っていれば、美味しいものがたくさんある」という構図ができあがってしまったという。

 こうした状況を打開するためには、次回の総選挙で「エネルギー問題」を争点に据え、反原発の考えを持つ議員を、党派に関わらず選ぶ必要があると河野議員はいう。

「メディアがちゃんと報道してくれればいいですけど、(東京電力は)テレビ広告を流し始めていますから。そうすると後はソーシャルネットワークを使って、国民が(チュニジアでの民主化革命のような)ジャスミン革命でも起こすしかないのかなというのが正直なところだと思います」

 また、今できることとしては、デモや署名運動をするよりも国会議員に直接意見を届けることが重要とし、

「100万人がデモをするより、100万人が事務所に行って『あなたの考えを明確にしてくれ』、『エネルギーシフトを考えないなら、私はあなたを支持しない』と議員か秘書に面と向かって言うほうがはるかに効果があります」

 と、国民にアドバイスをした。

◇関連サイト
ごまめの歯ぎしり - 河野議員のブログ
http://www.taro.org
・[ニコニコ生放送]「国会議員の事務所に行って」部分から視聴
http://live.nicovideo.jp/watch/lv47036527?ref=news#35:30

(野吟りん/写真・ふじいりょう

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