フォード・クーガ
フォードの欧州ビジネスはいま劇的な変化を見せており、モンデオのような伝統的ボディスタイルのモデルが数を減らす一方で、そのラインナップにはSUVが増加している。
こうした状況のなか、高く評価された2019年モデルのフォーカス譲りのプラットフォームをベースに、キャビンスペースや標準装備、テクノロジーや品質の面でも大幅な進化を遂げた最新の3代目クーガは、重要な役割を果たすことになるだろう。
キア・シードGT
シューティングブレークとも呼ぶべきプロシードGTとともに、キアは5ドアモデルのシードに新たに設定したGTで、運転好きのためのハッチバック市場に復帰を果たすことになる。
シードGTの積む1.6Lターボエンジンのパワーが先代モデルと同じ204psだと聞いてガッカリするかも知れないが、直線ではホットハッチに遅れをとるものの、ハンドリングとその機敏さはホットハッチそのものだとキアは主張している。
徹底的なサスペンションの改良に加え、大径ブレーキとアクティブエグゾースト、さらにはオプションのデュアルクラッチ・オートマティックギアボックスが与えられたこのクルマで、キアが目指したのは全方位に渡る魅力的なパッケージの実現だ。
キア・クロスシード
キアが進めるシードのモデルレンジ拡充策は、高まるSUV人気に応えるべく年内に登場する、このファミリーハッチバックのクロスオーバーモデルによって完成することになる。
シードとフルサイズのボディを持つスポーテージの間を埋めるクロスシードでは、車高が引き上げられるとともに、アウトドアテイストを感じさせるスタイリングが与えられることになるが、フォード・フォーカス・アクティブのライバルとして登場するこのモデルでは、そのメカニカルコンポーネントはハッチバックとほとんど変わらず、四輪駆動が設定される可能性は低いだろう。
メルセデスAMG A45
究極のホットハッチを名乗る資格はあるだろうか?
メルセデスAMG A45にはそう主張するだけの十分なスペックが備わっている。
間もなく登場予定のこのクルマは、Sであれば422psものパワーを発揮する新型2.0Lターボエンジンを積んで、もっともパワフルなライバルでさえ叩きのめしてしまうことだろう。422psというパワーはこのエンジンを2.0L最強の存在にしている。
0-100km/h加速を4秒以下でこなすこのクルマには、新たなハイテク満載のインテリアと、フォーカスRSのような「ドリフト」を披露することの出来る優れた四輪駆動システムが備わっており、単に勇ましいサウンドを奏でるAクラス以上の存在だ。
プジョー208 & e-208
魅力あふれる208 GTiを別にすれば、現行208を平均以上のハッチバックだなどと評価したことはなかったが、それでも、208は市場に受け入れられ、長年にわたって売れ続けているのだから、クラス最高の1台となるべく、より刺激的なルックスとより広く高品質なインテリアを備えて登場したニューモデルが、どれほどの人気を博すことになるのか想像してみて欲しい。
さらに、PSAグループのCMPプラットフォームを用いることで、ガソリンとディーゼル、さらにはEVの展開も可能にしており、このクルマのEVモデルでは、小型EVとしては非常に競争力のある340kmという航続可能距離を確保することに成功している。
すでに受注は始まっている。
ポールスター1
ポールスターとしては初の独自モデルとなる1は、長い準備期間を経てもう直ぐ販売が開始されることになる。
おそらくはボルボの慎み深いサルーンやSUV、エステートとの繋がりを強く感じさせることになるだろうが、単なるバッジエンジニアリングなどではなく、600psを発揮するハイブリッドパワートレインを、カーボンファイバーを大量に使用した独自のクーペボディに搭載したモデルだ。
さらに、より小型のサルーンモデルである2が今年のジュネーブモーターショーでデビューする予定であり、クーペスタイルのSUVである3の存在も確認されている。
2と3も純粋なEVであり、テスラの牙城を切り崩すべく登場する予定だが、ポールスターではボルボの革新的なサブスクリプションシステムも展開されることになる。
英国のドライバーにとって、越えるべき大きなハードルはふたつだけだ。
そのひとつが、いまのところは左ハンドル仕様しか用意されないということであり、もうひとつが、ラグジュアリーモデルやスーパーカーに匹敵する13万5000ポンド(1762万円)と予想されるその価格にある。
大いなる期待を胸に登場することになるが、このジーリー傘下のスウェーデン企業が、自らの力でポルシェやベントレーのような、技術力と長く続くブランド力を創り出すことができるのか、まだ予断を許さない。
ヴォクゾール・アストラ
フォード・フォーカスとフォルクスワーゲン・ゴルフに対するヴォクゾールからの刺客にも、モデルライフ中盤を迎えフェイスリフトが行われている。
インテリア、エクステリアともにスタイリング上の変更はわずかに留まっており、過剰な期待は禁物だが、エンジンラインナップは刷新され、新たな装備も与えられている。
最近登場したコルサとは違い、アストラでは2015年に登場したGM製プラットフォームをそのまま使い続けており、まだ数年先となるが、次世代モデルでは、新たなオーナーであるPSA製プラットフォームを採用することになるだろう。
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