大学生になって、勉学のための余儀ない一人暮らしを迫られた次男から、『何かキルトが欲しい』との希望が突然舞い込みました〉

 伝説のアイドル山口百恵(60)の、秘されていた家族と日常が明かされた。

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 7月26日に発売された、三浦百惠名義のキルト作品集『時間(とき)の花束 Bouquet du temps[幸せな出逢いに包まれて]』(日本ヴォーグ社)。百恵にとって自伝『蒼い時』以来、実に39年ぶりの著書になる。

「昨年春頃、当社からの出版オファーにご承諾いただき、6月頃から約1年かけて具体的な準備をしてきました。優れたデザイン力、それを形にする確かな技術力で創作された、見る人の心を打つ作品の数々を是非作品集にしたいと考え、出版に至りました」(出版社)

 同社は手芸出版の分野で圧倒的な存在感を誇る老舗。百恵の師事する鷲沢玲子氏も複数出版しており、百恵も作品集を出すならここで、と考えたようだという。

 百恵がキルト制作を始めたのは1987年。これまでもキルト展などで披露されてきたが、同書に収録された70点の中には、家族のために作った初公開作も数々ある。たとえば夫・三浦友和の半纏。千社札のデザインを刺繍したアップリケがつけられている。幼い息子たちのベスト2着は、〈兄が大好きで、いつも同じことをしたがる次男。まるで双子のように、同じものを2つつくっていました〉という、背中にサンタ柄のクリスマス仕様だ。

「家族の逸話など、これまで知られていないことが満載です。価格は2000円とお得感があるし、異例の初版10万部も、すぐに重版がかかるはず」(芸能記者)

恵の「近影」が話題。どんな写真なのか

 そしてなんといっても話題は、掲載されている百恵の「近影」だ。80年の引退後の写真が8点、うち新たに撮り下ろされたものが5点。針を運ぶ横顔、アトリエ前で微笑む正面姿――。少しふっくらし、若々しいメイクをした“還暦の百恵”を見ることができる。

「最初から近影を載せる予定だったわけではありません。針仕事をする百恵さんの姿がとても美しく、掲載させていただくことにしました」(前出・出版社)

 アイドル時代は篠山紀信カメラマンとのコンビが有名だったが、今回の制作風景などの撮影を担当したのは本間伸彦カメラマン。長年彼女のキルト作品は撮影していたが、百恵本人を撮ったのは初めてだという。

カメラマンとしてとても嬉しかったです。私も子どもの時から現役で応援していた世代ですから」(本間氏)

 都内の大手書店には、どこもうずたかく同書が積まれ、50代、60代の“ファン”がその近影を確かめる姿が目立っている。

 山口百恵の育ての親、音楽プロデューサーの酒井政利氏(83)が感想を語る。

「百恵さんの持つ、豊かで強い表現力にうたれました。三十数年間の結晶をこういうカタチで届けてくれたことがものすごく嬉しかったし、沈黙の期間の思いが伝わってきました。写真もまるで30代後半かのように可愛らしいですね」

さよならの向う側”にいた、瑞々しい百恵の姿。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年8月8日号)

山口百恵さん