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 好みの香りを気軽に楽しむことのできる香水は、現代人の暮らしに馴染んだ化粧品のひとつである。

 愛用の香水を使い続けているという人もいればさまざまな香水をコレクションしているという人もいるはずだが、古代人はどんな香りを身にまとっていたのだろう。

 マノアにあるハワイ大学の研究者たちが、2000年前の古代エジプト人がつけていた香水のレシピを解読、再現したそうだ。

 もしかしたら、絶世の美女として知られるナイルの女王・クレオパトラもつけていたのかも?

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古代ギリシャの文献をもとにして再現された「ミルラ」ベースの香り

 このレシピは、メンデジアンとメトピアンというふたつの香水について書かれた古代ギリシャの文献をもとにしているのだとか。

 香油や天然成分が配合されているが、ベースはどちらもミルラ(没薬)だという。ミルラアフリカやアジアの一部に分布する顕花植物から得られる樹脂のこと。

 チュメニ大学の考古学者ジェイ・シルバースタイン博士は

メンデジアンは、軽い香をたいたようなとてもいい香り。メトピアンは、ムスク(麝香)に似た少しきつい香りで、私のお気に入りだ。

クレオパトラのような人は、さぞかし何百もの香りを使い分けていた香水マニアだったのではと思うかもしれないが、文献によるとメンデジアンが彼女の一番のお気に入りのひとつだったようだ


と語る。

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ミルラ(没薬)
image credit:Wikimedia commons

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ミルラ(没薬)
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廃墟となった古代都市で「テル=エル・ティマイ」香水商の家を発見


 古代エジプトで実際に使われていた正真正銘の香りにできるだけ近いものを作ろうと、研究チームはエジプトの首都カイロ近くの紀元前300年にさかのぼる都市「テル=エル・ティマイ」の発掘現場から発見されたものを科学分析した。

 「テル=エル・ティマイ」では2012年、ある住居が発見され、そこから銀貨や金銀の宝飾品が大量に見つかっている。近くには、かつて香水のボトルを製造していたらしい窯の跡もたくさんあった。

 これらから、チームはここはかつての香水商の家ではないかと考え、そばで見つかった容器の化学分析を行って、中にあった液体の痕跡を特定しようと考えたようだ。

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古代世界では死後の世界においてもより奥深い役割を担っていた香水


 香水は古代世界では、特に大切なものだった。デートの前にいい香りを漂わせるおしゃれという意味だけでなく、古代人の生活、死、ときには死後の世界においてもより奥深い役割を担っていたのだ。

 シルバースタイン博士によると

今日のわたしたち以上に、当時の香水は重要な意味を持っていた。儀式や治療行為に欠かせないアイテムで、不死と結びついてもいた。

単なる贅沢品として求められていたのではない。香りは人生の、いや、死後の世界においてもその質を向上させる力をもっていたのだ


とのこと。

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香水はワニの糞を顔に塗っていたクレオパトラの必需品だった!?


 紀元前51年から30年までエジプトを治め、実質的にプトレマイオス王朝の最後の支配者であったクレオパトラは、すえたにおいのするヤギのミルク風呂に入り、乾燥させたワニの糞を顔に塗っていたと言われている。

 だから、心地よい香りでごまかすことは都合が良かったのかもしれない。

 なお、この香水は9月15日まで、ワシントンDCにあるナショナル・ジオグラフィック博物館の「エジプトの女王たち」展に展示されている。

 古代の香りがどんなものだか、ちょっとでも体験したいという人は行ってみるといいかもしれない。

References:Iflscience / Daily mailなど / written by konohazuku / edited by usagi

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http://karapaia.com/archives/52278544.html
 

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