JTB総合研究所が、昨年2018年での日本人の海外旅行の動向についてのレポートを発表しました。日本人の海外旅行動向はどのような傾向にあるのでしょう?同社が独自に実施したアンケート調査の分析や法務省の統計資料などと併せてご紹介します。


2018年の海外旅行者数は過去最高に

法務省の出入国管理統計によると、昨年2018年の海外旅行者数は1,895万人に達し、近年では減少傾向にあった2015年から着実に伸び続け、過去最高の数になりました。大都市に加え、地方空港発着の海外路線が増えたことで、全体的に海外路線の航空座席数が増えているそう。


また、海外からの訪日外国人数も急速な増加傾向にあって、日本人の海外旅行者数との出入国双方向が活発になってきているようです。

20代女性の海外旅行が増加傾向に

[2018年、性別・年齢層別出国率 (出典:法務省「出入国管理統計」)]

法務省「出入国管理統計」によると、2018年の海外旅行者の性別・年代別では、20代女性の割合が35.3%と圧倒的に多く、女性では次いで30代、50代という結果に。男性では50代が26.9%を占め、次いで40代、30代となっているそうです。

海外旅行で人気の目的地は?

目的地別の統計では韓国が多く、特に2017年から2018年の伸び率が高くなっています。JTB総合研究所によると、20代女性の傾向として、SNSや音楽など日常的に海外に触れる機会が多い世代なので、特に韓国に関しては、グルメやコスメも含めいろいろな面で韓国に接しており、海外旅行を日常生活の延長線上に捉えているのではないかと分析しています。全体的にみても、日本人の海外渡航先の目的地としてアジア諸国の人気が高いようです。

海外に関する関心は現代のトレンドが顕著に

JTB総合研究所が実施した海外旅行実態調査の中の「海外の情報や外国語に関する行動や考え方について」という質問で、20代女性の特徴として海外へのあこがれや語学の興味、さらには海外のSNSをフォローしている人の割合が高いことが分かりました。音楽や芸能人など文化面での関心が高く、SNSを通じて海外の情報をさまざまな形で知ることができ、以前より身近に感じられるようになってきているようです。

【海外旅行実態調査】
対象: 2018年1年間に海外旅行をした人を対象
実施日 : 2019年1月~2月
実施: JTB総合研究所
参照: https://press.jtbcorp.jp/jp/2019/07/20190724-report.html


インターネットやSNSを利用するのが当たり前となり、旅行に限らずさまざまな情報が入手できる現代。海外の文化がさらに普及してきて、SNSなどを通じて海外との垣根がもっと低くなってくると、旅行の形態や目的などもどんどん変わってきそうです。

協力: JTB総合研究所
(※2018年の日本人海外旅行マーケットの実態をまとめた「JTB REPORT 2019 日本人海外旅行のすべて」販売中)

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