―[歌舞伎町流「欲望のすヽめ」]―


 こんにちは、内野彩華(うちのあやか)です。

 新宿・歌舞伎町キャバクラを4店舗経営する歌舞伎町の女社長。そんな私が野心の大切さを説く、この連載。第51回は「悪い女」がテーマです。

 今や、女子中高生や女子高生の将来なりたい職業として挙げられることも少なくない「キャバ嬢」。少し前のものですが、民間のシンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」が、2007年7~8月に15~22歳女性を対象に行った職業希望調査では「キャバクラ嬢・ホステス」がなんと11位に入りました。

◆かつてのキャバ嬢は「日陰者」

 20~30年くらい前までの水商売の女は「日陰」「どこか危ない」「訳あり」といったイメージがありました。店には真面目に出勤せず、お客さんの愛人になって毎月の「お手当」をあてにしたり、店を介さずお客さんと金銭をやりとりする「裏引き」をして稼ぐホステスはたくさんいました。

 それが店にバレれたり、お金のつじつまがあわなくなったら、平気で嘘をついて店に対してお金の無心を繰り返す、だらしないホステスのほうが多かったように思います。

 時代は変わり、今では仕事に誇りを持つキャバ嬢が多数存在するようになりました。すると、自分がプライドを持って選んだ仕事でわざわざ「悪いこと」をする人はいないのです。

 ひと昔前に比べて「無遅刻無欠勤」は当たり前。「お客様との約束も守って信頼関係を築き」「売上を上げて時給も上げて」「長い時間働いて総給料を上げる」という、本当にキャバ嬢の鏡のような女の子たちが増えてきました。これは、私のように水商売にどっぷり浸かった人間からすると、本当に嬉しい現象です。

◆スキがありそうな女性が実は危ない!?

 しかしながら、そんな今でも「悪い女」というのはある一定数存在します。今回は、うちの店にいたもっとも悪かったキャバ嬢Sを例にあげながら、悪い女の見分け方についてお話しようと思います。

 Sは、顔こそ可愛かったですが、容姿はポチャというより「ちょいデブ」の領域でした。

 私が思うに、悪い女の中で「いかにも」と思える風貌をしている人を見たことがなく、ちょっとダサめだったりちょっと容姿が崩れていたりとスキがあるような風貌の人が多いです。まるで、プロの詐欺師が「一見誠実そう」に見えてしまう原理と同じだと思います。

 田舎から東京・歌舞伎町に出て来たばかりのSは、自分に自信がなくて、見栄っ張りで、寂しがり屋でした。ホストクラブにハマるのも、そう時間はかかりませんでした。

◆お客様に100万円以上を無心する

「自分に自信がない人」というのはタチが悪いです。嫌いな自分のことを好きになってくれた異性に対し、「神様視」する傾向があります。そして、その特別な人のためにすべてを捧げようとします。

 Sはお気に入りのホストに出会ってから、すぐに貢ぐようになりました。やがて、だんだんと収支のバランスが崩れていきました。はじめに思いついたのは、お客様に「お金を貸して」と言ってお金の無心をすることでした。

「親が病気」
「弟の学費を払っている」
「身体を壊して店に出られなくなってしまった」

 このような、とても古典的な借金の常套句を口にして、お客様4、5人からそれぞれ20万~30万円のお金を借りていました。借りるといっても、返済期限もあいまいなのだから「無心」したというのが正しい表現です。でもすぐにお金は飲み代に消えてしまいました。

◆お客様をホテルに誘ってお金を抜く

 次にSが考えついたのは、新規のお客様を誘惑してホテルに誘うこと。そして、お客様がお風呂に入っている間に財布からお金を抜きとることでした。

 これがどのくらい成功したかはわかりませんが、ある日、お客様に見つかってしまい、警察沙汰にされてしまいました。もちろん、お客様の方は裁判沙汰にするつもりはなく、示談という形で終結。Sは盗んだお金より、少し多くのお金を払って解決しました。

 この事件が発覚したことで、Sには店を辞めてもらいました。

 その後、「お客様」とホテルに行ったところでたいしたお金が巻き上げられないと悟ったSは、結婚詐欺を思いつきます。Sが狙いを定めたのは、「自分に自信が持てないタイプの独身男性」でした。◆200万、300万…結婚詐欺でエスカレートする

 そして、その男性に愛を語っては、付き合う形をとり、結婚の約束をします。そうした上で「親の病気」や「弟の学費」といったお金の話をすると、前よりもたくさんお金を無心できることに気づいたのでした。

 だんだんとエスカレートしていったSは、「引っ越ししたい」「商売をはじめたい」とお客様から100万、200万、300万円単位のお金を無心するようになりました。

 当時はまだ消費者金融の審査も甘く、そしてとうとう「あなたの貯金を結婚式の日までに5倍に増やしてあげる」と言って、結婚を約束した相手の貯金に加え、消費者金融から借金させた合計2000万円を預かって、それを全部飲み代に使ってしまったのです。

 消費者金融から毎月返済を求められるようになったお客様は、Sにお金の返済を求めましたが返ってくることはありません。それでもさらに「お金を出せ」モードだったことに不審感を募らせて、最終的には弁護士をたてて裁判をすることになりました。争点は「はじめから結婚詐欺をするつもりだったかどうか」だったそうです。

◆「身体が弱い」「心が病んでる」アピール

 これは本当に実際にあった話です。Sのような悪い女はどこにでも存在します。悪い女の特徴を紹介します。

 □パッと見は地味
 □自信がなさそうで、態度は控えめ
 □自分の不幸な話をする
 □でも見栄っ張り
 □「~させられた」など、いつも受け身的発言が多い
 □自分のことを卑下する発言が多い
 □普通なら言わないような「よくない武勇伝」を語る
 □「身体が弱い」「心が病んでる」といったアピールをする

 みなさんも、悪い女にひっかからないように、注意してくださいねもしも、上記にあてはまる女がいたら、情に溺れる前に、まずはじっくりと観察してください。

TEXT/内野彩華>

【内野彩華】
新宿歌舞伎町キャバクラアップグループオーナー株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町キャバクラを開業。現在、歌舞伎町キャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ

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内野彩華