米俳優レオナルド・ディカプリオ(44)が映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(8月30日日本公開)を引っ提げて26日、都内で開催された記者会見に出席した。悲願のオスカー像を獲得した『レヴェナント: 蘇えりし者』で来日した2016年3月以来、公式には3年5か月ぶり11度目の来日となる。メガホンをとった鬼才・クエンティン・タランティーノ監督との来日は初となる。ディカプリオは同作の舞台でもある生まれ故郷のロサンゼルスについても語った。

約20分遅れて始まった記者会見では、レオナルド・ディカプリオクエンティン・タランティーノ監督、そしてプロデューサーのシャノンマッキントッシュ氏が呼び込まれると、約250人の報道陣でごった返す会場に大きな拍手が起こり、無数のフラッシュが一斉にたかれた。冒頭、タランティーノ監督は妻のダニエラさんが妊娠したことを司会者から祝福されると、「そうなんです。妻が妊娠しました。家に小さな“タラちゃん”がいる日も近いと思います」と自ら報告し、「サンキュー!」ととびきりの笑顔を見せた。

前回の来日記者会見のスーツ姿とは一転、薄いベージュのジャンパーに、グレーのトップスにパンツ、そして白のソックスにスニーカーというカジュアルな服装で登場したディカプリオ。「日本に戻って来られて本当に嬉しく思います。皆さんのいつも温かい歓迎ぶりに感謝しています。初来日は『ギルバート・グレイプ』(1994年日本公開)だと思いますが、そのときから本当に何度も来ています。皆さんに感謝しています」と穏やかに微笑んだ。

レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットの初共演も話題の同作。1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描くが、実際に起こったシャロン・テート事件、そして実在した俳優のブルース・リースティーブ・マックイーンらも登場するなか、ディカプリオは人気のピークを過ぎたTV俳優・リック・ダルトン、ブラッド・ピットはリックを支えるスタントマンクリス・ブースという架空の人物をそれぞれ演じている。

「今回の役に惹かれた」と話すディカプリオは、「(架空の人物)リック・ダルトンの魂の部分をどうやって作り上げていくか。リックは俳優としてなんとか時代についていこうとする。周りではどんどん変わっていく中で、2人の友情、1つの恋の表裏一体という関係の2人が2日間でどのように変わっていくか。ブラッドもそうだと思いますが、僕たちはこの役をやりたいという気持ちにさせられました」と自身の役について話した。またタランティーノ監督は「(ディカプリオに多数舞い込んでくるオファーの)山積みの脚本の中で僕の作品が一番上にあった(から選んでくれた)」とジョークを交えながらも、主演の2人について「キャラクターにぴったりだった。1人が俳優で1人がスタントマンだから、ルックスもどこか近いものがないといけない。それを2人が持っていたことは幸運だった」と起用理由を明かした。

ハリウッドで生まれ、ロサンゼルスで育ったというディカプリオにとって、自身のホームタウンを扱った同作はある意味特別なのかもしれない。「私はラッキーなことにハリウッドにいたので、学校が終わるとオーディションを受けに行くことができた」と回顧し、「この業界を知っているので、どれだけ俳優でいるのが大変なのか知っています。世界中から人々が夢を持ってハリウッドに来ますが、なかなか叶えられません。仕事があること、自分で(作品への)決定権がある、このことは奇跡だと思います。実際は99%は奇跡が起こらずなかなか仕事がないのが現状です」と役者としての成功に感謝した。

そして「ハリウッドはある意味、ここは夢の工場。成功も生み出しますが、失敗もあります。自分が生まれ育ったところで、悪評が立つ人がいることも確かですが、私には家族や良い友人もたくさんいますので、私の一部になっていると思います。ロサンゼルスは戻るとハッピーになる場所です」と生まれ故郷への思いを語った。

会見では記者からの質問が相次いだ。ディカプリオやタランティーノ監督に質問が集中するなか、ディカプリオは「素晴らしいプロデューサー、シャノンにも是非質問してください」と気遣う優しさも見せた。

ディカプリオ、タランティーノ監督、マッキントッシュ氏は、同日夕刻から都内にて開催される「ジャパンプレミア レッドカーペット」イベントに出席する。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

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