韓国は22日、日韓軍事情報包括保護協定GSOMIA)の破棄を決定した。この決定には韓国国内からも賛否両論が出ているようだが、韓国はどこに向かおうとしているのだろうか。中国メディアの今日頭条は22日、韓国は「日本依存からの脱却」を目指していると主張する記事を掲載した。

 記事は、韓国の今回の決定を受けて日韓関係はさらに「亀裂が深まった」と指摘。この亀裂によって、これまで日本製品ボイコットに参加してこなかった韓国人まで、重い腰を上げ始めたと伝えた。ある韓国人一家は、毎年恒例にしている日本旅行を決行するつもりだったが、GSOMIAの破棄のニュースを受けてやむなくキャンセルし、国内の済州島への旅行に変更したと伝えている。

 7月からの日本製品ボイコットは多くの日本製品に打撃を与えたが、特に影響が大きかったのはビールだという。その代わり、中国の「青島ビール」が大幅な売り上げ増になり、中国が漁夫の利を得たと指摘した。また、ユニクロも大幅な売り上げ減となっており、3店舗の閉店が決まったと伝え、今回のボイコットがこれまでと違って長期化しており、大きな影響が出ていることを強調した。
 
 また、最近の韓国では「日本依存からの脱却」を目指していると記事は分析している。半導体材料3品目の輸出管理強化により、韓国人の間で「半導体分野の成長に対して、材料の国内調達の成長が付いてこなかった」ことへの反省が広がり、半導体のみならず日本製品全般からの脱却が意識されるようになってきたことを指摘した。

 記事は、こうした日本に対する強硬姿勢を強調しているが、韓国政府によるGSOMIAの破棄決定は、ますます「日韓の決裂」を深めたのは間違いないだろう。今回の決定に日本政府から抗議の声も出ているが、米国は激怒したと言われる。日本に対しては強気を崩していないが、一体韓国はどこに行こうとしているのだろうか。この先の進展を見守るほかはあるまい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

亀裂がさらに深まった日韓、「韓国はどこに向かおうとしているのか」=中国メディア