職場や仕事関係、ママ友、家族、SNS…。様々な人間関係の中で生活していると、悩みやトラブルは尽きないもの。相手によかれと思ってしたことがかえって迷惑がられたり、ちょっとした一言が相手の地雷を踏んでしまったりということも少なくありません。

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そんな中でも、いつも話の中心にいて、誰からも頼りにされる人もいます。そのような人は周囲から常にサポートされ、自分のやりたいことを実現させているのです。

いったいなぜ、そんなふうに人の心を動かすことができるのか?

現在メディアでも話題になっている『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』より、その一部をご紹介します。

絶対に否定しない

相手に安心感を与えるための基本は「絶対に否定をしない」ことだといいます。皆さん、自分の行動を振り返ってみていかがでしょうか?

特に悪気はなくても相手の話に対して「でも」「いや」などといきなり否定の言葉で返すのがクセになっている人も少なくないのではないでしょうか。

相手を否定しないための一つの表現方法は、「同調する」ということ。

これは、相手の意見を100%飲み込んで同じ意見になるということではありません。賛成や反対ではなく、相手に対して「(私の考えは別として)あなたがそう思っているということを理解しました」と伝えればよいのです。

実際、フランスで行われた実験でも相手の話の最後の2〜3語を繰り返して相槌を打った人の方が、相手との親密さが増したというデータもあるそう。

まずは、相手への理解を示し、そのうえで「なぜそうお考えになるのか教えていただけますか?」などと話を展開することで、相手は心を開きやすくなるといいます。

命令しない

子どもに「◯◯しなさい!」といっても、なかなか動かなくてイライラしたという経験はありませんか。相手を動かしたいのなら「命令や指示をしない」ことがポイントだといいます。

それでは、どうこちらの意図を伝えるのか? 会話の中で、相手が何をするべきか「自分自身で決めてもらう」のです。「この場合はどうすればいいだろう? ちょっと教えてもらえるかな」と伝えること。

これにより、相手は自分が頼りにされていると感じられるといいます。アメリカの大学で行われた実験でも、命令されるより「お願いできる?」と疑問形で依頼されることでパフォーマンスが1.5倍になったというデータもあるそうです。

例えば、おばあちゃんから子ども宛にプレゼントが届き、そのお礼の電話を子ども自身にさせたいとき、いきなり「電話しなさい!」と伝えるのはNGです。

おばあちゃんにプレゼントが届いたことを伝えたら喜ぶかな?」「どんなふうに伝えようか?」「今すぐできることって何かあるかな?」と、ヒントを加えながら、質問を繰り返していきます。

そうすることで子どもは自分でおばあちゃんに電話をするという答えにたどりつき、行動に移すことができます。このように自分自身でこうするべきだと考えたことは、優先的に行動に移すことができるそう。

急いでいたりするとつい命令口調になりがちですが、実は根気よく伝える方がスムーズかつ相手の満足感も高めることができるというのは驚きですね。ぜひ子育てに取り入れてみたいメソッドです!

会話の流れを作るのは◯◯!

質問する

人の心を動かすためには聞き上手であることが大切だといいます。聞き上手な人の会話は「相手8割、自分2割」。たくさん話をしてもらうことで、相手の「自己重要感」を満たすことができるのです。

そのために必要なのが「質問」。こちらからの質問によって会話の行き先が決まっていきます。会話の流れの中で自然に質問していくための方法が「チャンクサイズ・コントロール」というもの。会話のかたまり(=チャンク)を意識して質問していきます。

たとえば、「好きな動物は?」「猫です」、「では好きな猫の種類は?」というように、話のかたまりを小さくしたり、逆に大きくすることもできます。

また、「好きな猫の種類は?」「◯◯です」、「そういう猫がいるんですね。他にはどんな種類が好きですか?」などと、同じかたまりで会話を続けることもできます。

会話が続かないと、なんとか話をしなくてはと思うかもしれませんが、相手に質問して話の流れを作っていけばいいのですね! あまり親しくないママ友などとの会話でもこのテクニックは使えそうです。

陰で相手を褒める

誰でも褒められると嬉しいもの。特に、自分のいないところで誰かが自分のことを褒めてくれていたと知ると、自分に自信がつきますよね。

アメリカの大学で行われた実験でも他人のことを積極的に褒める、ポジティブ・ゴシッキング(前向きな噂話)をする人ほど、相手に親密感を持たれるということがわかっているそう。

人の心を動かすことができる人は、このように本人がいないところでの”褒めの陰口”が上手だといいます。まずは自分に関わる5人を、本人のいないところで褒めてみてください。それにより、本人からも喜んでもらえ、話をしている相手からも親密感を持ってもらえるはずです。

相手の間違いを正さない

会社などで自分の言ったことが伝わっていなかったり、忘れられたりしているとイラッとしますよね。それは、自分の主張がないがしろにされていることで、自己重要感が傷つけられたと感じるからです。そのため、何としてでも相手の間違いを正したくなるのだそう。

しかし、人望がある人は自分の自己重要感を取り戻すことより、相手の自己重要感を傷つけないこと、相手の心を動かすことを優先させるといいます。

そのため、相手が見当違いの発言をしたとしても、それを「正す」ことはしないのだそう。

では、どのように対応するのでしょうか。それは、「否定をしない」+「気付かせる」+「答えを言わない」+「正さない」の4つのルールで相手に気付かせるということ。相手が間違いに気づくまで、忍耐強く質問を繰り返すのです。

特に部下や後輩に対しては、このようなコミュニケーションは相手の心をつかむ力として他の人と比べものにならないほど効果的だといいます。

「言った」「言われていない」でトラブルが起きるのはよくあること。お互いの主張をぶつけ合うのではなく、冷静になって4つのルールをやり切ることで、自分の自己重要感も満たされるのだとか。

はじめは忍耐強さが必要かもしれませんが、このルールを身につければ、自然と相手の心を動かすことができそうですね!

『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』の一部をご紹介しました。

本書では科学的根拠に基づく「人の心を動かす」ための条件やメソッドが具体的に書かれています。これらを実践することで、単に「伝え上手」になるのではなく、あらゆる人間関係の悩みから解放され、人生を大きく変えるきっかけになるはずです。

気になる方はぜひ本書をチェックしてみてください。