東北の怪物は、期待を裏切らなかった。

 高校日本代表と大学日本代表の壮行試合が26日に神宮球場で行われ、先発した大船渡(岩手)佐々木朗希投手(3年)が最速156キロをマークした。大学トップクラスの打者を、1回無安打無失点2奪三振とひとひねり。30日に開幕するU18W杯(韓国)へ弾みをつけた。

真価が問われる一戦


 真価が問われる一戦だった。噂の最速163キロ右腕は、はたして本物なのか? スピードだけなのか?

3年最後の夏は岩手大会決勝で花巻東に敗れ、全国舞台には縁がなかった。超高校級とはいっても、所詮、地方レベルの打者を抑えていたにすぎない。この日の相手は、7月の日米大学野球で優勝したメンバーがズラリ。プロ予備軍といってもおかしくない打線を、力でねじ伏せた。

 1番宇草孔基(法大)を初球152キロで左飛。2番小川龍成(国学院大)の3球目に156キロを計測。最後は134キロフォークで空振り三振。3番柳町達(慶大)には152キロ直球を振らせ、2者連続三振。わすか12球で、満員の神宮は興奮のるつぼと化し、ネット裏に陣取ったプロスカウトも一安心だったに違いない。

 試合は佐々木の力投もあって流れを引き寄せた高校日本代表が、5-5で引き分け。格上の大学日本代表を9回1死までリードして追い詰める健闘ぶりが光った。

・合わせて読みたい→
「令和の怪物」大船渡・佐々木朗希投手にオススメのプロ3球団はココ!(https://cocokara-next.com/motivation/recommended-professional-baseball-team-for-sasakirouki/)

「大勢の観客の中で投げることができて良かった」

 佐々木は「この大勢の観客の中で投げることができて良かったです。すごく楽しんで投げることができました。3者凡退で良かったです。しっかりコースに投げきることを意識しました。甘いところは球威がないと持っていかれるので。(大学生の印象は)圧力も雰囲気もすごかったです。世界には強いチームがたくさんあるので、今日みたいに簡単には勝てないと思うので頑張りたい」と試合後に話した。

 甲子園では準優勝した星稜エース奥川恭伸(3年)がスターの階段を駆け上がったが、主役の座は俺だと言わんばかりの圧巻パフォーマンス。この日のテレビ放送でも、登板後の佐々木と試合に出なかった奥川にカメラが集中して向けられ、注目度の高さをうかがわせた。

 試運転を終え、30日からW杯がスタートする。甲子園の疲労を考慮され、登板なしで調整している奥川とのWエースが予想される。日本代表の過去最高成績は準優勝止まり。今秋ドラ1確実コンビで「世界の壁」を破りたい。

~W杯出場国~

[グループA]
韓国、オーストラリアオランダカナダニカラグア、中国

[グループB]
日本、アメリカ、台湾、パナマ南アフリカスペイン

~W杯日本代表の試合予定~

8月30日12時、スペイン

8月31日12時、南アフリカ

9月1日18時、米国

9月2日18時、台湾

9月3日18時、パナマ

9月5日~8日
予選上位国によるスーパーラウンド、順位決定戦
(テレビ放送はBS朝日、Abema TV、J SPORTSなど)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

大船渡・佐々木、プロ予備軍を三者凡退「大勢の観客の中で投げることができて良かった」