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 もっと頭が良ければ私の人生はバラ色に輝いていたはずだ。と思った時代もあった。でも他に足りないものが多すぎて、アップデートではとうてい補いきれない。むしろ生まれ変わってリセットしなきゃダメじゃん!ってなって思考停止したわけだが、知能が高いからといって必ずしも幸せとは限らないようだ。

 「クオーラ」という知識共有プラットフォームの「When does intelligence become a curse?(知性が呪いになるとき)」というスレッドに寄せられた投稿には、賢い故の苦悩が淡々とつづられている。

 周囲から過大な期待をされたり、何をしても自慢と受け止められたりと、賢い人たちも色々と苦労しているようだ。

 以下では、「クオーラ」によせられた投稿を見ながら、頭が良すぎることのデメリットとそれにまつわる科学トリビアを紹介しよう。

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1. 感情よりも知性が勝ってしまうことによる不具合

 「クオーラ」に投稿したMarcusさんは、自分の感情も他人の感情も非常によく理解できるが、感情を表に出して気持ちが楽になったことは一度もないと述べる。

賢い人間にはありがちな悩みだ。特に口が達者な人にはね。言葉は煙幕のようなもので、特に話している内容が真実であればあるほど効果的だ。

話すのが苦手な人は、体で発散する。叫んだり、パンチしたり、キックしたり、走ったり――。でも僕は説明するんだ。

そして説明すればするほど、それは体の内側に積もっていく。今じゃ、その上にラベルを貼っているみたいだよ。


 Marcusさんの投稿は、認知スキルと感情スキルの違いを浮き彫りにしている。

 この両者がどのように関係していのか科学的にも確かなことはわからない。

 しかし感情的な知性の高さは認知能力の低さを補えることが示されている。逆に言えば、非常に頭がいい人は、問題を解決するために感情スキルに頼る必要がないかもしれないということだ。

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2. いつも一番を期待される


 「どんなことでも一番になるだろうって勝手に期待されるわ」とRoshnaさん。「弱さとか自信のなさとか、そんなことを話せる人は一人もいない」

 それなりの水準に達しなかったらと思うとパニックになるという人もいる。

 「失敗したときのことを考えると、とにかく慎重になってしまって、リスクを冒す余裕なんてない」と投稿するのはSaurabhさんだ。

 心理学者によると、子供の知能が高く、学校で日頃から優等生だと、両親はかえって子供の成績が心配になってしまうそうだ。

 その結果、「子供自身のことではなく、子供がやっていることにばかり注意が向く結果になってしまう」という弊害があるのだそうだ。

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3. 懸命に働く意義を学べないかも


 賢い人たちは普通の人よりもずっと効率的に物事を片付けられるという指摘もあった。

 しかし、それは必ずしも直接成功に結びつくものではない。それどころか、頭が良すぎるために、成功には不可欠な粘り強さを身につけることができない恐れもある。

 Kentさんは、「知性が高すぎると、一所懸命やる必要はないと小さい頃に覚えてしまいがちだ。根気強くやるという気持ちが芽生えないんだ」と話す。

 ある研究は、誠実性(仕事に打ち込むなど)とある種の知性とは逆相関の関係にあることを明らかにしている。

 その理由について、賢すぎると、望む成果を達成するためにそれほど頑張る必要はないと学んでしまうからでは? と述べられている。

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4. 間違いを指摘するとウザがられる


 誰かと会話していて、相手が不正確なことを言っていると気がついてしまうと、どうにも間違いを正したくなるものだ。

 賢すぎる人の場合、どうしてもそうした間違いによく気がついてしまう。

 だが、つい我慢できずにそのことを指摘すると普通以上に嫌がられるかもしれないし、それどころか、下手をすると友達を失う危険すらあるようだ。

 「いちいち他人の間違いを指摘していたら、もう誰も口をきいてくれなくなるよ」とRaxitさんは悩みを告白している。

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5. 考えすぎてしまう


 知性の罠のひとつは、考え事や分析にやたらと時間を費やしてしまいがちなことだ。

 一例を挙げると、あらゆる概念や経験の存在論的な重要性を見出そうとして、感傷的になってしまうかもしれない。

 「すべては消滅しかかっていて、何にも意味なんてありはしないんだってことに気づくんだ。答えを探し求めて、狂いそうになるのさ」とAkashさん。

 実際、言語性知能は心配や思索と関係していることを明らかにした研究がある。

 現実に困ったことも起こる。そうした人は何かを選ぶということができなくなってしまうのだ。

 「分析しすぎた結果として、自分の決断によって生じうる帰結が見えてしまうと、その決定は絶対にできなくなるんだ」とTirthankarさんはコメントしている。

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6. 知れば知るほど、無知であることを思い知る


 どれほど賢くとも、すべてを知り尽くすことはできない。「知れば知るほど、無知であることを思い知るんだ」とMikeさんは話す。

 それを証明するかのように、知能が低い人ほど、自分の認知能力を過大評価する傾向がある(その逆もまた然り)ことを示した古い研究がある。

 そのときの実験のひとつでは、テストの得点が一番低いグループの学生は、自分が正解したと思った問題数を5割も過大評価していた。

 一方、一番高かったグループの学生は、正解したと思った問題数を実際よりもわずかに過小評価していた。 

References:6 Surprising Downsides Of Being Extremely Intelligent | IFLScience/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52278660.html
 

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