ノイズキャンセリングは「コミュニケーション」を促進させる?

ここ数年のヘッドホン市場のトレンドといえば「ノイズキャンセリング」で間違いないでしょう。そして、その大定番といえばBose(ボーズ)の「QuietComfortシリーズ(QC)」です。街中はもちろん、電車、飛行機などでもよく見かける、ノイズキャンセリング一般化した“殿堂入り”といっても過言ではないプロダクトです。

そんなノイズキャンセリングの本家とも言えるBoseが、革新的な新しいヘッドホンを発表しました。それが「Bose Noise Cancelling Headphones 700 (以降HP700)」。Boseヘッドホンラインアップの最上級機種にあたる製品なのです。

大定番の人気シリーズを差し置いて、まさかの全力投球。果たしてBoseはこの新モデルで、どんなヘッドホンの未来を示そうとしているのでしょうか? Bose社のプロダクトデザイン ディレクターであるクリスレインキさんに話を伺うと、そこにはなんと「ノイズキャンセリングシェア」というキーワードが!?

Chris Reinke プロフィール

プロダクトデザイナーアーティストを両親に持ち、学生時代はインダストリアルデザインを学び、白物家電や医療機器などさまざまな企業で課題解決をテーマとした製品開発の経験を積む。2015年Boseに入社。クリエイティブディレクターを務め、2016年から現在までプロダクトデザイン ディレクターとして製品開発に携わっている。

これからのノイズキャンセリングは「自分のため」だけではない。

──HP700のノイズキャンセリングについて、どのような特徴があるのかを教えてください。

ノイズキャンセリングは間違いなくBoseにとって大切な技術ですが、もっとも大切なのはノイズキャンセリングそれ自体ではありません。ユーザーにとって音楽やポッドキャストなどのコンテンツを快適に楽しむことが一番重要です。そしてこの「HP700」で、私たちはこのノイズキャセリングをさらに次のレベルに進めていこうと考えています。

──次のレベルノイズキャンセリングというと?

私たちはノイズキャンセリングを通して、より良いコミュニケーションを実現していこうとしているのです。事実、私がこのHP700でもっともエキサイティングだと感じているのは、ノイズキャンセリング機能です。

従来のノイズキャンセリングは、ヘッドホンを使用している本人にのみ有効な機能でした。それに対しHP700は、電話をしている相手や、音声アシスタントに対してもクリアな音声が伝わるのです。つまりHP700はノイズキャンセリングの効果をシェアできるということになるのです。

──騒がしい環境で電話したり、音声アシスタントに話しかけたりしても大丈夫ということですか?

その通りです。私たちは音声ピックアップに革命を起こしました。まったく新しい8マイクシステムを採用し、そのうち6つのマイクで劇的なノイズキャンセリングを行ない、音声ピックアップ専用の2つのマイクノイズキャンセリングマイク2つを組み合わせ、ノイズキャンセリングしたクリアな音声を通話相手や音声アシスタントに届けます。これによって、騒がしい場所でも快適なコミュニケーションができるようになります。まさにコミュニケーションにおけるゲームチェンジャーと言えるでしょう。

Boseデザインが結晶したこれまでにないヘッドホン

──HP700はエレガントデザインが印象的で、QCシリーズとは大きく異なるテイストを感じます。

HP700のデザインについてお話しする前に、Boseが持っているデザインカルチャーについて紹介させてください。Boseは音響における高度なエンジニアリングや技術的イノベーションでよく知られていますが、創業者のボーズ博士がデザインに強い情熱を持っていたことは意外と知られていません。Boseを代表するオーディオシステムである「901」を見れば分かる通り、彼は音響だけでなくデザインにもイノベーションを起こそうと取り組んでいたのです。

Bose 901 Photo: Bose

──たしかに901はその見た目も非常にユニークデザインを持っていますね。

そうしたBoseに脈々と流れているデザインへの情熱は、特にここ数年でさらに強まっています。それは表面的なものだけではありません。ユーザーが豊かな経験を得られるような、エクスペリエンスデザインも含んでいます。そうした取り組みが実を結んでいるのが、現在のBoseが発売している製品なのです。

──HP700はその最新形となるわけですね。

はい。今回、私たちはDr. Boseの「より良いものを作るには、人と違うことをしなければいけない』、『人と違うことをするには勇気が必要だ」という言葉を胸に、今までとはまったく異なるものを作ろうと考え、まっさらなキャンバスに向かいました。その結果、HP700は非常にエレガントで、ミニマルなデザインに潜む豊かさ「Less is more.」を体現したプロダクトになっています。

──HP700はまさに上質でエレガントという印象です。

シンプルさに焦点を当てた結果、不要なものを全て排除しました。ヒンジ、継ぎ目を隠し、留め具も取り除きました。これはピュアシンプルな新しいアーキテクチャを持った、驚くべきデザインヘッドホンです。

──流れるような曲線で構成されたヘッドバンドがなんとも印象的です。

ヘッドバンドは1ピースのエレガントで機能的なステンレススチールでできています。美しくプレミアム感のある仕上げとスプリンテンションによって、あらゆるサイズや形の頭にフィットし着用時にも美しいスタイルを実現します。私は「偉大なデザインは技術的なイノベーションなくしては達成できない」と考えていますが、まさにHP700のデザインは、Boseチームワーク、そして努力の結晶です。

──ヘッドバンド内側の感触も非常にユニークですが、これは?

特別なコーティングを施した非常に柔らかい肌触りのシリコンです。髪の毛に絡まないような加工が施されているので、非常に快適に着脱ができます。また、イヤークッションも上質なプロテインレザーを使用していて、気持ち良い肌触りです。さらにイヤーカップには15度の傾斜をつけており、頭や耳にフィットするようになっています。HP700のバッテリーは最大20時間動作しますが、まさに長時間つけていても快適なヘッドホンとなっています。

──イヤーカップではタッチ操作ができるそうですね。

スマホをポケットに入れたままでも、音楽や通話、音声アシスタント、そしてノイズキャンセリングレベルコントロールできるように、シンプルで使いやすいユーザーインターフェースを搭載しました。これによってユーザースマホの画面に縛られることなく、自身の目の前に広がる世界を見渡せるようになります。タップすることで、音楽を再生・停止したり、電話に出たり切ったりできます。上下のスワイプで音量の調節、前後のスワイプでトラックの送り/戻しができます。HP700は、Boseがこれまでに作った中でも最高のルックスと感触を持ったヘッドホンと言えるでしょう。

拡張するノイズキャンセリングは、人と人をつなぐ技術に?

はじめにBoseが新たなノイズキャンセリングヘッドホンを発売すると聞いたとき、「おそらく、さらにノイズキャンセルを強めた製品なのだろう」と予想しました。

しかし、今回クリスさんに話を伺って印象的だったのは、デザインとそこからもたらされるユーザーエクスペリエンスへの熱い情熱。そしてノイズキャンセリングシェアするという発想にも見て取れる「プロダクトによってより良い未来を作ろう」という強い信念でした。

11段階で調整可能な強力なノイズキャンセリング、最大20時間のバッテリーライフタッチスワイプとボタンを組み合わせた高度なコントロールといった機能や性能はしっかりと保証しながらも、おそらくここでBoseが描こうとしているのは、ヘッドホンが単なる音楽再生装置にとどまらない未来

自分一人だけの快適な音響空間、周囲との快適なコミュニケーション空間。その両者を自在に行き来できるのが、この「HP700」なのではないでしょうか。

BOSE NOISE CANCELLING HEADPHONES 700 (ボーズ ノイズキャンセリング ヘッドホン 700)

発売開始日:2019年9月12日予定

希望小売価格:¥42,500消費税抜)

製品特徴・仕様:バッテリー 持続時間 約20時間|充電時間 2.5時間(クイック充電の場合、15分で約3.5時間の再生)|質量 252g|カラー(2色)トリプルブラック、ラックスシルバー

お問い合わせ先 :BOSEカスタマーサービス TEL:0120-235-250

https://www.bose.co.jp/ja_jp/products/headphones/noise_cancelling_headphones/noise-cancelling-headphones-700.html

Source: Bose
Photo: 吉岡莉南