子ども達はそろそろ新学期が始まり、いじめに関する著名人の見解が各メディアで取り上げられている。いじめられた経験がある人の中には、いくつになっても当時のことを忘れることができない人も多いのではないだろうか。海外では学生時代にいじめを受けた者が50年超の時を経て加害者に復讐する事件が起こった。

 同窓会で高校時代のいじめ加害者を射殺した69歳の男が逃走中だと海外ニュースメディア「The Sun」が8月29日に報じた。

 8月24日、タイ・アントン県で53年前に同じ高校に通っていた男女が飲食店に集まり同窓会が開催されていた。元クラスメート達は、食事をしながら会話を楽しんでいたが、突然、一人の男が激怒して声を荒げたという。16歳の頃に自分をいじめていた、同じく69歳の男性に謝罪を求めたそうだ。しかし、男性は「(いじめた)記憶はない」と謝罪を拒否。この対応に激高した加害者の男は、所持していた拳銃で被害者の男性を撃ち、そのまま逃走したとのことだ。被害者の男性は病院に搬送されたが死亡が確認されたという。

 なお、タイ在住の日本人ジャーナリストによると、タイでは合法的に拳銃を購入できるそうだ。ただし購入するにはさまざまな書類提出や審査があり、全てのタイ人が購入できるわけではないとのことだ。

 同記事によると、同窓会の幹事を務めていた別の男性は「過去にも加害者は被害者からいじめられていたことに対して愚痴を漏らしていました。彼はいじめを決して忘れていませんでした。しかし、まさか殺害するとは思っていませんでした」と警察に証言したそうだ。

 タイ警察は、復讐を果たした加害者の男は現在も逃走中だと発表した。

 このニュースが世界に広がると、ネット上では「いじめっ子を殺害したことをかばうつもりはないが、正直いじめられっ子だった自分は加害者の気持ちがわかる」「誰も救われない悲しいニュース」「いじめたほうはふざけてるつもりで忘れていても、いじめられたほうは一生忘れないものだ」「加害者の男を責められない、いじめは自尊心や人生を台無しにすることを彼は証明した」「被害者が謝罪していたら、こんな結果にはならなかったかも」「被害者のご冥福をお祈りします」などの声が寄せられていた。

 いじめられた側が復讐のために同窓会で殺人を企てた事例は日本でも発生している。

 1991年1月2日佐賀県の旅館で地元中学卒業生の同窓会が開催されていた。約40名の生徒と5名の当時の担当教師が集まり、同窓会は盛況のまま終わったという。しかし、一点不審なことがあった。幹事の当時27歳の男が姿を見せなかったのだ。

 この幹事の男は中学時代に、清掃用具のロッカーに閉じ込められる、女生徒の前で裸にされる、何針も縫うほどの暴行を受けるなど、クラスメートからひどいいじめを受けていたという。卒業後もいじめのことを忘れられなかった男は復讐を決意。

 男は佐賀県の県立高校の食品化学科を経て大学の工学科に進学。卒業後、上京し会社を転々とするが、いずれも復讐のために、化学試薬を扱っている企業を選んだそうだ。同時期に化学薬品を入手しやすくするため、化学科甲種取扱免許も取得している。

 化学知識を身に付けた男は1990年、復讐を決行することにした。同窓会を開いて、元クラスメート達にヒ素入りのビールを飲ませ、爆弾で会場を爆破して、自分もろとも皆殺しにしようと大量殺人を計画。実際に、大量殺人兵器としてヒ素入りの瓶ビールを21本製造したそうだ。

 しかし、12月31日、同窓会の2日前に帰郷した際に、男が作成した『殺人計画書』を母親が発見し1991年1月1日に警察に通報。殺人計画は未遂に終わり、男は爆発物取締罰則違反などで懲役6年の実刑判決を下された。

 いじめる側は軽い気持ちだったのかもしれないが、いじめられた側の心の傷は時間が経っても癒えることはないようだ。なんとも後味の悪い事件である。

記事内の引用について
Pensioner, 69, waits 53 YEARS to shoot dead ‘childhood bully’ at school reunion(The Sunより)
https://www.thesun.co.uk/news/9819271/pensioner-shoots-dead-childhood-bully-school-reunion/

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